2015.12.14
伴奏は以前より大好きで楽器や声楽、合唱団、オペラと弾いてきました。ヴァイオリンの伴奏とオペラの伴奏では弾き方が全然違いますし、同じ声楽でもイタリアものとドイツリートでもまた弾き方が違ってきます。
しかし共演者と一つの音楽を作り上げるという点では同じで、ピアノのソロでは味わえないおもしろさはまた格別です。 ありがたいことに私の伴奏に対して「演奏しやすい。」というお言葉をよくいただき、演奏会では必ず私を指名して下さる方もいらっしゃいます。私としてはソリストの高い音楽性に付いていっているだけなのですが、そこが音楽の不思議なところ、お互いの相乗効果で思いもかけない音楽が生み出されたりするのでたまりません。 最近では私のピアノの伴奏にのせて歌を練習したいという方までレッスンに現れたりして、本番の予定があるわけではないのにしみじみと音楽の世界に浸ってああでもないこうでもないと追求していく楽しみを味わっています。
ピアノ伴奏は弦楽四重奏に例えると第2ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロを自分が受け持っている感じでしょうか。第1ヴァイオリンがベストな音楽を奏でられるように気を配ります。響きが調和したときのぴったり感というのは独特で、ポイントにすっと入ったような心地よさです。弾き方は楽器によって違っても、その調和としての感覚という点では何の伴奏でも同じで、ソリストと自分で大きな一つの音楽を作り出していきます。
先日一人につき片手だけの簡単な3手連弾(3人で弾くのです)の真ん中を弾いていてもそのすっぽり感を感じました。内声だけを担当するなんてピアノをやっていてもめったにないのでいい経験。ベートーヴェンの悲愴第2楽章を弾くときのヒントがあり、ソロで生かしています。
ところで伴奏というとソリストの影にかくれて目立たないように静かに弾くイメージがありますが、なかなかそうとも限らず音楽を引っ張っていく場面も多くあります。私が好きなピアニストがいつか歌曲の伴奏をしていてなんだか物足りない思いをしたことがありました。ソロを弾くときは柔らかい音色でやさしい表現がとても素敵なピアニストなのに、伴奏者としてそのままそれを持て来られるとなんだか物足りない・・・。音を変えてもっと曲全体を引っ張っていってほしい・・・。伴奏者の少しの大胆さがソリストに表現の勇気と新たなる飛翔を促すこともあるからです。
子供の頃は相手がいないとなんと自分の演奏を録音して一人アンサンブルをしていた私!今はいろいろな方とご一緒できてとても幸せです。同じ曲でも共演者が変わると全然違う曲になってしまいます。とても奥深い伴奏の世界。ますます音楽の魅力に入り込んでいきそうです。
https://pnet.kawai.jp/602574/topics/11924 (美しい五月に)
http://pnet.kawai.jp/602574/topics/138091/ (テンポ感)
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