2019.05.13
明夫くん「今日は僕が練習してきました!」
♪~~~明夫くんの演奏~~~♪
明「あーちょっと右手がつりました。どうしてもtrと見えると速く弾かないかん、素早く震わせないかんと思って力んでしまいます。」
HEART「書いてある音符のひとつ上の音から上手く弾けていましたよ。それにゆっくりからだんだん速く震わせたり自由に変化させていいんですよ。」
明「一小節ごとの和声の変化がグッときます。寂しげな感じがよかですなー。左手が少しずつ形を変えるだけなのにふわっと色が変わっていって、そこを味わうのが何とも言えんです。」
H「ほんとにそうですね!その色合いにうまく右手のメロディーやトリルを合わせられると力まないで素敵になりますよ。16小節目3拍目から左手の5の指で弾いていくミが半音ずつ下がっていくところも素敵ですね。そしてこの音形はフーガの主題の音形と関係しています。」
明「やっぱPrestoからの所ばもっと速く弾きたかな~。前半とはうって変わった悲劇的な感じを表現したかとですが…。」
H「分かります。倍くらいのテンポで弾くとかっこいいですよね。でも大事なのは、この時代のテンポ表示は、まだ音符のイメージを確認するものであったということです。」
明「16分音符が前からと同じように続いているから、雰囲気が変わる感じくらい?」
H「前半との関係において少し早めですよ、という合図。もしくは気持ちがせきたてられているような表現を織り込んで、という発想記号として捉えれば、そんなに速くしなくてもよさそうです。」
明「そこまでぶっ飛ばさなくてもよか、ってことですね。前半みたいに味わいながら悲しみを押し出す感じで弾くのもよかですな。」
H「アダージョ、アンダンテ、アレグロ、プレスト…。みなイタリア語ですが、当時はテンポ記号と言うよりは“悲しく”とか“やわらかく”とかと同じように発想記号として使われました。そうそうアレグロAllegroって速くってみんな思ってるでしょ。」
明「もちろんです。音楽辞典にも書いてあります!」
H「じゃあ、イタリアでピザのお店に行きました。お店は超満員。お料理を待っているうちに電車の時間が近づいてきた。大変だ。“すみませんがAllegroでお願いします!Allegro!Allegro!”ってお願いしたらどうなるでしょう。」
明「分かりました!って急いで焼いてくれる?」
H「いいえ、Allegroは“陽気な”という意味なのでピザ屋さんは仕事を止めて大声で楽しい曲を歌い始めますよ!」
*「当たってくだけて平均律クラヴィーア曲集」はフィクションです。
「当たってくだけて平均律クラヴィーア曲集 第1回 プレリュードのプレリュード」もご覧ください。
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