2016.04.07
春です。世の中の皆さんが何かを始めたくなる4月。外国語講座のテキスト売り上げ№1の4月。切りの良い4月。さあピアノの世界でも今年度からバッハの平均律を練習いたしましょう。
「え~バッハ?!」と、眉をひそめている方々。きっと小学校高学年か中学生の時にインベンションをレッスンでさせられましたね・・・。大丈夫です。私が申し上げておりますのは“平均律クラヴィーア曲集”の方です。 え?バッハなんていい思い出なんてないし、頭こんがらがるし、第一何のためにあんな面倒くさいもの弾かないといけないか分からない、ですって? そんなあなた。私が無理なく分かりやすくバッハの世界へお連れ致します。
実は私もインベンションはあまり好きではないのです。時代も文化も違うバッハせんせーのおっしゃることは、いきなり臭い青カビチーズを食べるようなもので日本人にはなじまないことも多いのです。ドイツ料理だったらまずはおいしいソーセージにビールといきましょうよ。あ、ちょうど元気印の明夫くん(33歳。子ども2人。大人のピアノ歴3年。)とばったり会いました。
明夫くん「HEART先生!こんにちは!!花見されましたですか?今ソーセージにビールって言いよったでしょ?」
私「そうそう。バッハってドイツ人だからっていう話で・・・」
A夫くん「やっぱHEART先生!それじゃあバッハもビールみたいなもんすかね!はははははは!」
私「またか・・・。」
でも明夫くんはなぜか憎めない人。お話しているとすっかり楽しくなってしまう。
明夫くん「そうそうHEART先生、僕実は今インベンションば練習しよっとですよ。」
私「え!そうなの?この前も私インベンションはおもしろくないよってあんなに言ったじゃない。」
明夫くん「そうなんですけど・・・。左手が弱いからバッハするといいかな~と思って。」
私「それで楽しい?」
明夫くん「全然・・・。でもですよ、でもですね、やっぱ勉強になるけんですね、せないかんと思って・・・。」
勉強と思ってやる音楽ほどつまらないものはありません。
私「今度から“当たってくだけて平均律クラヴィーア曲集”っていうのをするけん聞きに来んね。」
明夫くん「何ですかそれ。」
私「まあおいでよ。最初は第1番ハ長調のプレリュードばするよ。ま、最初はビールみたいなもんから。ネ。」
明夫くん「はいわかりました。楽しみしとります!」(ハ長調プレリュードへ続く・・・。)
※「当たってくだけて平均律クラヴィーア曲集」はフィクションです。
(当たってくだけて平均律クラヴィーア曲集 第2回ハ長調プレリュード)も、ご覧ください。