2019.05.23
「せんせー、ドレミファソラシドって何語なんですか~?」
という問いには
「イタリア語よ。日本語では いろはにほへと、英語ではABCD、ドイツ語ではアーベーツェーデーって読むのよ。」
と答えますが、その起源をたどると成立までには長い時間を経ており、正確には簡単に「何語」とは答えられないものです。
その起源は11世紀にさかのぼります。中世イタリアの音楽教師のグイード・ダレッツォがグレゴリオ聖歌《ヨハネ賛歌》の旋律の各節の冒頭部分の音が中世音楽の基礎をなすヘクサコード(hexachord 6つの音からなる音階)に従って上行していることに着目します。
現在のような五線譜のない時代に音階の各音の特徴をはっきり理解させ、歌いやすくするためそれぞれの音に「ウト、レ、ミ、ファ、ソル、ラ」と言葉をあてはめました。この「ウト、レ、ミ、ファ、ソル、ラ」を常に音高と一致させて歌いながら理解することにより、各音の音程関係を覚えやすくしました。元祖ドレミの歌です。
Ut queant laxis Resonare fibris
ひろく心に響くように
Mira gestorum Famuli tuorum
あなたのしもべの驚くべき偉業が
Solve pollute Labii reatum
辱められた唇の罪をのぞきたまえ
Sancte Johannes
聖ヨハネよ
ヘクサコードは教会旋法に代わって長調・短調が確立された1600年ごろまでにほろびてしまいますが、「ウト」が「ド」へ、「ソル」が「ソ」に変えられ、1670年ころに第7音の「シ」(Sancte Johannesの「S」と「J(I)」をつなげたものとする説がある)があらわれ、今も西洋音楽の基礎となっています。
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