私の好きな曲⑯ オペラ「道化師」より“衣装をつけろ”Vesti la giubba - Il Pagliacci
2019.02.13
寒い日はコポコポという心まで温まる音を聞きながらパスタを茹でます。そしてお料理のお供は何といっても音楽。パスタ料理にはイタリアオペラに決まりです。
今日選んだのはレオンカバルロ作曲「道化師」。主人公はピエロの男性という全2幕で1時間半の短いオペラです。オペラの中ではよく人が死ぬ(笑)のですが、ここでも主役が同じサーカス団の妻の浮気を知り、嫉妬に狂って殺人を犯します。音楽も濃厚かつドラマティックなオペラです。
以前私がオペラの練習に関わった時、地元の歌手が妻役のネッダを見事に演じられました。普段は派手ではない方なのに、ネッダの奔放な色気をまとい、眼の表現まで生き生きと演じられたことに衝撃を受けました。音楽の力ですっかり変身してしまうと、歌手は音楽の魔力に引き込まれてものすごい演技をしてしまうものなのだということを突き付けられました。
そんなオペラ「道化師」で主役が歌う一番有名なアリアは「衣装をつけろ」。
~芝居をするのか!
浮気を発見して逆上しているただ中に。
笑うんだ道化師よ。衣装をつけるんだ!~
この曲はたくさんの歌手が録音しているので、聴き比べてもとても面白いです。高笑いするところや泣きを入れるところなど、聴きどころ満載。マリオ・デル・モナコのライブは、まるで歌舞伎のようだという方もおられます。
ところで、若い頃スカラ座でトスカを振った小澤征爾はものすごいブーイングの洗礼を受けたとか。「トスカの音と違ったんでしょうねー。」とおっしゃっていました。本場のイタリア人の感じるオペラは日本人が感じるところよりはるかに濃厚で、想像を超えた味わいをもっているのでしょうか。歌い手を見ていてもこめかみの血管が切れそうなくらい身体全体を膨らませて発声しています!
とにかくイタリアオペラはお腹いっぱい音楽に浸りたい時にぴったりです。特にアリアは発声も表現も濃厚なので、自然に自分も体全体にあつい音楽が流れだします。感じ方がどん欲になって、大きなスポンジで音楽をぐいぐい吸収している感じです。出来上がったパスタを食べていると自分も歌えそうな気持になってきます。
そうそう、今年2019年、没後151年の食通ロッシーニもイタリア人でしたっけ。
イタリアって、オペラって、ほんとおなかいっぱい!!
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