2017.10.21
好きな“音”といえば真っ先にくるのはやはりピアノの音ですが、ピアノ以外でも弦楽器、管楽器それぞれの楽器に魅力的な音色があり惹きつけられます。そして、声も大事な音色のひとつで、訓練によっても変わりますが、その人に生まれつき授けられたもので、特徴や個性、得意な音域などその人独特のものです。
歌い手は身体が楽器なので管理が大変と聞きます。声帯は消耗品なので、普段からとても大切に扱うそうです。常に努力していないといい声は保てません。かといってやりすぎるとこわしてしまいます。ピアノは調律師がなんとかしてくれる部分がありますが、声帯は維持管理が難しいのです。
好きな声の歌手にTony Cetinskiという男声歌手がいます。この方はちょっとハスキーな声で、様々な歌い方を自在に操ります。「カルーソ」では押し殺したような深い悲しみが伝わってくるいい声です。
女声ではアンナ・ネトレプコ。体型がかわってから劇的に声が変わり、ますますドラマチックで説得力のある表現力です。
ほかにも故.林隆三さんの声や卓球の石川佳純さんの声、そして尾藤イサオさんのハスキーな声がとても好きです。
ということで、今回の私の好きな曲は尾藤イサオが歌う“あしたのジョー”のテーマソングです。本編についてはよく知らないのですがなぜかこの曲はとても好きです。特に「たたけ!たたけ!」のところでは、日本語の語感と吐き捨てるような力強い歌い方が見事にマッチしていて、ジョーの孤独がよく出ていているように思います。外国人歌手のように隅々までビブラートを行き渡らせながら胸をはって朗々と歌い上げたり、フェルマータ(曲中に止まって音をのばし続けること)して声の良さをアピールしたりしても困ります。この歌のよさはやはり日本人が、そして、尾藤さんが歌わないと出てこないのでは、と強く思う次第であります。
そしてあまりに素晴らしい尾藤さんの表現力の前に、この名曲の観賞に際しては、ついついこぶしを握りしめてしまうわたくしです。(運転中は聴かない方がいいかな)
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