2026.04.24
私はバイエルの持つクラシック独特の美しいフレーズ感が大好きです。当教室ではカワイグレードを受験する生徒も多いため、バイエルは大切な課題曲の一つでもあります。
普段のレッスンでは「バスティン」や「ぴあのどりーむ」をメインに使うことが多いですが、以下のようなお子さんには「バイエル」を選択肢に入れています。
・「バイエル」という名前に憧れがある
・「親御さんと同じ曲を習いたい」という希望がある
・発達の特性上、スパイラル学習(バスティン等)だと情報量が多くて混乱しやすい
・シンプルに、一つひとつコツコツと進めたい
しかし、バイエルは1851年に出版された、150年以上も前の本。現代のレッスンでは少し使いにくい点もありますよね。
・ヘ音記号の登場が遅すぎる
・楽典的な説明が少なく、理論と並行しにくい
「今の時代にちょうどいいバイエルはないかな?」と探し求めて見つけたのが、教育芸術社の「こどものバイエル」です。
この本の画期的なところは、以下の2点です。
・最初から右手がト音記号、左手がヘ音記号で書かれているため、導入がスムーズです。
・ⅠやⅤといった和声記号の説明があり、演奏と理論が自然にリンクします。
おすすめの組み合わせ
私は、読譜が少し苦手な子や「知っている曲を早く弾きたい!」という子には、ピアノ・テクニックの本【実践編】を併用しています。
この2冊の相性は抜群で、レッスンでは次のようなステップで進めています。
教育芸術社「バイエル」:テクニックと音楽理論の基礎固め
レパートリー集:好きな曲にⅠ・Ⅳ・Ⅴの和音を付けて楽しむ
一度に多くを覚えるのが苦手でも、一つずつ確実に身につけていける子には、この2冊に絞った「シンプルなレッスン」が驚くほどフィットすることがあります。
逆に、好奇心が旺盛で新しいことにワクワクするけれど、一曲をじっくり完成させるのが苦手な子には、バイエルは少し退屈に感じてしまうかもしれません。
「どちらが良い・悪い」ではなく、目の前の子どものタイプに合わせてアプローチを考えること。それがピアノ講師としての、何よりの楽しみだと感じています。