2022.09.05
楽器演奏による《音楽》は様々な楽器から音が流れ出てくるもので、《音が消える時》ですら《流れの途中》だと言えますね。
そのため生徒さんへは、例え弾き間違えてしまっても《間違えた音は捨てる》つもりで《止まらないで演奏しましょう》と、レッスンで繰り返し伝えています。
では「止まらないために必要な事はなんだろうね?」と質問すると、大抵生徒さんは「たくさん練習すること!」と明るく答えてくれますが、私は「うーん、当たりなんだけど・・もうひとつ、覚えておいて欲しい大切なことがあるかな」と答えます。
それは・・止まらない事を意識するよりも、演奏しながら《その音楽の先を見ていること》なんです。
言葉にして説明するのは、とても難しいのですが・・《今、思い浮かべて出そうとしている音》は《次の瞬間に出てくる》のです。
だから《今、出ている音は、それより前に思い出している音》ということですね。
例えば、飛び越えられる程度の細い川岸から対岸に飛ぶ時、《向こう岸を見ながら飛ぶ》はずですね。
飛んでいる時に一時停止なんて出来ないように、本来ならば演奏途中で止まる事はやはり不自然な事だと思うのです。
うーん、こんな説明でご理解頂けるでしょうか?
でも、大人も子どもも《音楽は先に向かって流れているのだから》なんて言葉だけで実感するのは難しいですね。
レベルが上がってこそ《止まらない演奏に慣れる》ように、初心者の頃から《ソロ演奏に私が伴奏付けして仕上げる》レッスンを心がけている大きな理由のひとつです。