2022.10.12
私事ではありますが、9月にイタリア製ファツィオリ・コンサートグランドピアノを弾く機会に恵まれました。
その会場は、東京都内で初のファツィオリを設置したホールとのことで、舞台壁がガラス張りで、東京湾とレインボーブリッジが見える、素敵な場所。
感染防止の為、遠出は、ずっと自粛していたので、2年9ヶ月振りのお出掛けであり、
ソロでステージにあがるのも非常に久し振りという状況でした。
午前中のリハーサルで、他の出演者の方が演奏されている際に、会場のファツィオリの音色を聴き、その美しさに感動しましたが、自分のリハーサルとなると、舞台での音の聞こえ方と客席から聴いていたものとの差に動揺し、本番までは大きな不安を抱えて待つこととなりました。
しかし、出番である夕方には舞台壁が閉じられ、お客様がお入りになったことで、音の伝わり方が変化したお陰か、自分の音をしっかりと聴きながら、落ち着いて3曲(12分程)を演奏することが出来ました。
又、助けとなったのが照明で、前日に、実姉が経営するピアノ教室で練習をさせてもらった際に、姉が、本番を想定した照明を設置してくれたお陰で、まるで、そこで弾いているかの様な、オレンジ色や茶色といった温かい光に包まれながら、地に足が着いた感覚で演奏することが出来たのです。
本番を想定して練習することは、大切ですね。
出演された方々は、皆様それぞれに立場が異なり、ライフスタイルによってピアノへの向き合い方も異なりますが、ピアノを好きという気持ちが、本番に向かって努力する原動力となっていることは素晴らしい事と思いました。
そんな姿勢を拝見しながら、ピアノを習わせてもらえる家庭環境は当たり前ではないし、習いたい気持ちが真に生徒さんからの自発的なものであれば、それが大きな力になり、ピアノ・音楽が一生の心の友・宝物になるという事を感じました。
今回の私の演奏は、ある意味で冷静だった点は良かったのですが、私にとっては納得いくものではなかったので、今後、成長するためには、自分への言い訳や甘えを排除すべきという気付きもありました。
稀少なピアノで演奏させていただき、大変勉強になる機会となりました。
【小諸市・くろとりピアノ教室】