2016.03.10
私は生徒さん達に、ピアノを通してできるだけ多くの経験をしてほしいと思っているので、コンクールに参加される生徒さんもいます。
でも、コンクールの参加に関しては慎重に考えているので、やみくもに誰でも参加するのが良いとは思っていません。
コンクールに参加するとなると、特に小さな子供は、トロフィーが欲しいとか、1番良い賞を取りたいとか、良い結果ばかりを期待してしまうことがあります。
でも、簡単に期待通りの結果が出るものではありません。
コンクールは、それ相応の実力と努力が必要なのはもちろんですが、参加する人達のレベルや演奏順など、様々なことによって結果は変わってきます。
審査する先生がどこに重点を置いて審査するかによっても結果は変わってきますし、良くも悪くもその時一回だけの演奏で全て判断され、人間が審査するものですからいろいろなことが起こります。
発表会では(私の教室では)同じ曲を弾く人はいませんし、その子に合ったレベルの曲を精一杯の演奏ができれば良いと思いますが、課題曲があるコンクールでは同じ曲を弾く人が沢山いるので、より優れた演奏を求める必要があります。
従って、音を繋げるところや切るところを正しく、テンポ、強弱、メロディと伴奏のバランス、曲全体の流れやフレーズのまとまりを感じて、、など、細かいところまで神経を使って楽譜に通りに正確に弾くことはもちろん、その曲の特徴や雰囲気を捉えて音楽的に演奏できるようにしなければいけません。
なので、コンクールに参加するに当たっては、まず課題曲を十分に弾きこなすことができて、参加するコンクールのレベルに合っていること。
(コンクールごとに多少レベルが異なります)
本人に参加したいという意欲があって、今参加することがその子のプラスになると思われること。
そして1番大切なのは、思うような結果が出なくても、ふてくされたり自信を失ったりピアノを嫌いになったりすることなく、良い結果が出てもそうでなくても、それを素直に受け止めて、良い経験ができたと思ってまた前に進んでいけること。
そのどれかが欠けている場合は、参加しない方が良いと考えています。
コンクールに参加する目的は、「技術的にも精神的にも成長すること」にあります。
普段の練習曲はそこまで深く弾き込むことはできなくても、コンクールに参加するとなると、良い結果を出したいという気持ちから、私の伝えることをよく聞いて、より深く丁寧に弾くことができるようになります。
また、よその教室の上手な人達に交じって演奏することによって、沢山の刺激を受けて大きく成長できます。
今年も様々なコンクールが行われる予定です。
現在も教室では、コンクールに向けて頑張っている子がいます。
これからも参加できそうな子には是非、コンクールにも挑戦してもらいたいと思っています。