2015.09.26
私はレッスンをしている時によく、
「この子は今どう思っているのかな、、どんな言葉をかけて、どうしてあげたらいいかな、、」と考えることがあります。
思ってることを何でも話すようなお喋りな子はわかりやすいのでいいですが、思うことがあってもうまく言葉にできないような、あまり喋らない子については、どう思っているのかを察してあげなければいけません。
そして、私がその子の頃のことを思い出すことがあります。
私は父親の転勤で何度か引っ越しをしましたので、習ったピアノの先生も何人も変わりました。
印象的だったのは厳しい先生達です。
当時小学校低学年だった私が習っていた年配の女の先生は、とても厳しくて、間違えると手の甲をピシャリと叩かれました。
多分それほど強く叩かれてはいなかったと思いますが、私は叩かれるのが怖くて、ビクビクしながら弾いていたように思います。
「叩かなくてもいいのに、、」と思っても、子供の私にそんなこと言えるはずがありません。
その先生の所に通う楽しみは、待っている場所にたくさん並んでいた「サザエさん」の漫画を読むことでした。
でもレッスンは少しも楽しくなくて、楽しくないから練習もしなくて、練習をしないからまた叱られて、、という悪循環に陥っていたように思います。
また、もう少し大きくなった頃習ったある先生は、よく喋る先生でプライドが高く、感情的に怒る先生でした。
私が間違えると、すぐにイライラして「そこ、さっきも同じとこあったでしょ!同じ間違いをしないで!」などときつい言い方をされたのを覚えています。
私は「そんな言い方しなくてもいいのに、、すぐにできるわけないじゃん!」と思いましたが、言い返すことなどできませんでした。
そんな先生達のことを思い出す度に、私はあんな先生にはなるまい、と思うのです。
手を叩いても、感情的にイライラしても、生徒は弾けるようにはなりません。
むしろ萎縮して余計に弾けなくなってしまいます。
どうしても一流のピアニストになりたいとか、ものすごく高い目標があるなら、ある程度厳しくなるのは仕方ないかもしれませんが、それでも叩いたり感情的に怒るのは間違っていると思います。
だいたい、そんな高い目標を持っている人は自分から相当な努力をするはずですから、怒られるようなことにはならないと思いますけどね。
私の教室は、レッスンに通うのがなんとなく楽しくて、間違えることも怖がらないでのびのびとピアノが弾けるような場所でありたいと思っています。