2015.09.25
曲が仕上がってくると、表現力があるかないかで演奏に差が出ます。
よくいるのが、速くサラサラと弾けるけど表現力のない演奏をする人。
どんな曲を弾いても同じように聞こえて、機械が弾いているみたい。
強弱の付け方もテンポの変化の付け方もなんだか味気なくて、書いてある通りに付けました、みたいな感じ。
演奏に心が入っていないのを感じます。
そういう演奏をする子は、自分が思っていることや気持ちを人に伝えるのが苦手な子に多いように思います。
レッスンの時、私が何か問いかけてもあまり返事がなかったり、「はい」とか簡単な言葉が返ってきて会話が終わってしまうような。
逆に、表現力が豊かな子は感受性が豊かで、自分が思うことを言葉にすることもできる子が多いです。
心のこもっていない演奏は、体全体はじっとしたまま、指先だけで弾いているので、見ていてもわかります。
表現力豊かに、心を込めて弾こうとすると、頭の中でもそのように歌っていて、自然と体全体も動くはずです。
そして、気持ちを込めた演奏をすると、聴く人にもそれが伝わって感動させられるでしょうし、弾いている自分自身ももっと楽しいと感じられると思います。
曲がある程度弾けるようになってきて、曲想を付けて演奏をする段階になると、私は一緒に歌ったり体を動かしたりしてレッスンするので汗だくになります。
そしてそれに乗って演奏しようとする生徒も、弾き終わると汗をいっぱいかいていて「あー、暑い~!」と言いながらキラキラした顔をしています。
私はそんな生徒の顔を見るのが好きです。
普段は淡々と弾くことが多い子も、少しずつそんな演奏ができるようになって、自分の殻を破って、もっとピアノの楽しさや表現する面白さを感じてほしいと思っています。