2022.07.09
音楽の調と調号の説明は、どんなに理解力が有る生徒さんでも、小学2年生からーーと決めています。
以前、優秀な小学1年生に説明して、アアー早過ぎたーーと猛省したからです。
音楽の調は全部で24調です。
ですから、バッハが全調で書いた平均律は24曲
しかし、#の調が7つ、♭の調が7つ、#も♭も無い調が1つで7+7+1で15調。
長調15調、短調15調で合わせて30調になる訳ですが、嬰へ長調と変ト長調は、実際同じ音ですから、これを異名同音調と言い、2つで1つと考えると全調とは、24調になる訳です。
私は調についての説明は、絶対五度圏で教えますが、以前来られていた小学校の先生にご説明すると
「エエーー?
音楽の調ってこうなっていたんですか?
自分もこうやって教えてもられていれば、簡単だったのに、アアーー(+_+)」と言われたので、
「先生はどう教わったのですか?」とお聞きすると小学校の教員国家試験でも音楽が出るので兎に角、指導教官から
「ハ、ト、ニ、イ~」と丸覚えしろ!と言われて、
大変でした。
と言われたので、
「それはご苦労様でしたね。
しかし、それではそこから先、調の説明が進まないですよね?」--と2人で大笑い。
もうお一人の小学校の先生も
「♯は角が4つ有るからドレミファソでト長調とか教わったのですが~」と言われたので???
「では♭は?」とお聞きすると、これ又初耳の
「♭は角が3つなので、此処も角だと考えて入れて4つにしてーー」とー???
もう、笑うしか無かったです。
結局、肝腎な基礎を教えず、その場限りの適当なやり方しか教えられなかったーと言う事なのだと想像します。
バイエルの80番になると転調の曲が出て来て、
本の中でも説明していますが、詳しく5度圏の話迄は書かれていません。
しかし、調の事が判らないまま、この転調の曲を弾いたのでは、この曲を弾く意味もこのテキストを使う意味も半減してしまいます。
私の生徒さんには、この曲に入る前には調の説明を繰り返し話し、理解した後でこの曲を楽しんで頂いています。
生徒さんは
「先生、この曲はニ長調からト長調に転調して又ニ長調に戻る、ですよね?」と話すので
「大正解!」(^^)/
所謂、楽典と呼ばれる音楽の理論は、小学校の3,4年生の算数に比べても至極簡単な物だと私は思っています。
この簡単な事を、簡単に教える。
それも教える側の責任です。
そして、その生徒さんご自身が教える側になった時、やはり、ご自身が教わった様に、生徒さんにも教える事になる訳ですから、基礎は大切ですね。
以前、井上二葉先生が高校生の公開レッスンで
「楽典をお勉強なさってね。」--と一言(*_*;
聞く人が聞けば、理解して演奏しているのかどうかは一目瞭然ならぬ、一聴瞭然。