2022.08.08
銀行から帰宅して
「まず、通帳を片付けておかなくちゃ。」と言うと
夏休み中の息子が
「そんな物、ただの紙切れだよ。」と言うので
「ええー?通帳と印鑑は大事よ。」と言うと
「もう直ぐそんな物、この世から消えるよ。
アプリ入れろよ、通帳アプリ。」と言って自分の携帯を見せてくれました。
「でも私は、まだこのままで良いわ。」と言うと
「そういう人が居るから人件費が係って困るんだ。」と言うので
「70代、80代の方は無理でしょう?」と言うと
「80代でも凄く、使いこなしている方は沢山居るんだよ。結局、勉強するか、しないかだよ。」と言われたのですがーーー。
するとその日の午後、内祝いのお品が届き、
デパートの箱の中にはカードがたった一枚。
「裏のURLかバーコードを読み込んでお好きなお品を選び、必要事項を記入の上、お受け取り下さい。」と書かれています。
エッツ?カタログ無くなったの?返信用はがきも無いの?(+_+)
それをお送り下さったのは、私と同年代の方です。
このままでは本当に何も出来ない自分になってしまうーと危機感を覚え、その夜、息子に手伝って貰いながら、銀行の通帳アプリを入れました。
そうかあああー。
何でもアプリかあーー(*_*;
そんな時、ピアノに向かい合い、自分の指先の感覚、感触とピアノの木の鍵盤の感触で音を紡いで音楽を奏でられる事にホっとしました。
20年程前、電子ピアノの名手の先生が
「もう、何でも機械がやってしまうので自分の腕の見せ所等、何処にも無くなってしまった。」と言われていたのを思い出しました。
テレビで大泉洋さんがショパンコンクールで2位になられた反田恭平さんに
「すっごくピアノの上手な人達が500人も同じ曲を弾いて、間違ったりしない訳でしょ?
それで一体どこで差が出るんですか?」と聞かれていましたが、
結局、自分の指先の感触とピアノの木の感触でタッチを変え、表現を1音1音紡いで膨大な数の音を音楽として作り上げて行く訳です。
200年経っても変わらない木の音色。
アプリで溢れる世の中になってもピアノの音色の紡ぎ方は変わらず無限に有るのだと思うと、ホっとしました。
ピアノが弾ける事に改めて癒されている私です。