2016.07.09
前回は「ソネチネへの手引き」と題しながらいきなり歴史の話になってしまいました。
今日こそソナチネについて書いてみたいと思います。
まずはソナチネ(Sonatine)とはなんぞや?
答えは簡単。
小規模のソナタ(Sonata)のこと。「ソナタちゃん」てな感じでしょうか。
ではそのソナタ(Sonata)とはなんぞや?
で、これを説明するのがなかなか難しい。
ソナタはsonore(伊:鳴らす、演奏する、響き渡る、耳障りのよい)から来た言葉なのですが
実はバロック時代には色々なタイプのソナタがあります。
当初はなにか決まった形式があったわけではなく、器楽曲をざっくりとソナタと呼んでいただけかもしれませんね。
それが次第に形が整っていき、組み合わせる曲の構成によって
教会ソナタ(緩急緩急)
室内ソナタ(急緩急)
とに区分されたのがコレッリ(1653-1713)の時代。
そこをへて漸く古典派の時代、今私たちが知っているソナタという形式ができたわけです。
古典派のソナタのスタンダートな形は下記のとおりです。
(もちろん例外は山のようにあります、特にベートベンの後期は好き勝手😅)
まず複数の楽章からなること。
多くは1楽章(速い)・2楽章(遅い)・3楽章(舞曲)・4楽章(フィナーレ:速い)
となっていますからバロック時代の室内ソナタの系譜を継いでいると思っても差し支えないかと思います。
そして
1楽章がソナタ形式で書かれていること。
ですから、まずソナタを演奏するときは
各楽章のテンポ設定が重要になるでしょう。
いかに各楽章の性格を際立たせ、対比させるか。
それぞれに違う色調と調度でしつらえられたお部屋を順番に見ていくように
楽章が変わるごとに小さな驚きがあると楽しいですよね。
それでは次はいよいよソナタ形式について
実際の楽曲を例にとりながらお話したいと思います。(続く)