2015.04.07
生徒さんの発表会の余韻さめやらぬ一週間後、 わたくしは一生徒として、東京でチェンバロの発表会に出ておりました。
そして、その余韻がようやくおさまった今、このブログを書いております。
余韻。
そう、とても幸せな時間だったのです。
チェンバロは勿論ソロでも演奏されるのですが、この楽器の重要な仕事に
『通奏低音』と言うものがあります。
この辺りのことを書き出すと長くなるので今日は割愛して。
要するに、他の楽器とのアンサンブルで、その低音部分を担当するとお考え下さい。
で、今回の発表会はヴィオラ・ダ・ガンバとのアンサンブルで通奏低音を担当し、
マラン・マレーの
『サント=コロンブ氏への追悼』を演奏しました。
17世紀フランスの音楽です。
マレーが、サント=コロンブ氏、つまり若き日のガンバの師匠の死に際し、その
痛切な想いの全てを一音一音に込めた珠玉の曲です。
相方をつとめて頂いたのは、日本を代表するガンバ奏者のF沢氏。
素晴らしい体験でした。
間近で感じる息づかい、弓の微細な表現。自分よりはるかに力量のある奏者の低音を担当させていただき、どこまで彼の音楽に共鳴できるか。
もちろん緊張はしていたのですが、良い具合に耳と心が開いて、最後の一音に向かって、ただ音楽にひきこまれていきました。
このような体験をすると
「音楽に言葉は必要ない」と言うことが実感されます。
音に耳を澄まし、音を感じ、音に応える。
目には見えずとも、容に残らずとも、確かに心に残る存在感。
それは音楽の喜びを全身で感じた一日でした。