2014.05.16
憲法9条をかえて「普通の国になるんだ」と言う意見を聞いたことがあります。
みなさんは「普通に戦争を出来る国」になりたいですか?
私は、憲法9条に誇りを持っています。
これによって、日本は60年以上の長きにわたって直接的には(間接的には関与し
ていましたが)戦争に巻き込まれず、独自の道を進んで来れました。
また、この憲法によって、国際社会において信頼され、独自の平和貢献をして来
ました。
それについては、アフガニスタンで医療、干害事業をしてきたペシャワール会の
中村医師、また各国の武装解除に携わった伊勢崎賢治氏、つまり実際に現地で身
を張って活動し、かつ成果を上げた方方が証言しています。
「積極的平和主義」と言うなら、彼らの活動こそが「積極的平和主義」ではあり
ませんか?
安倍晋三氏の言う「積極的平和主義」。
この言葉だけ見れば、非常に素晴らしい事のように聞こえますが、本当にそうな
のでしょうか?
私は彼の目指す「平和」に疑問を感じています。
彼の言う「平和」とは「パクス アメリカーナ Pax Americana 」ではありませ
んか?
つまり大国アメリカに都合のよい「平和」。
「平和」の名の下に、アメリカが何をしてきたか?
それは歴史を振り返れば明らかではないですか。
ベトナムのソンミ村事件、、 そもそもイラク戦争で悪の親玉のように言われたフセイン氏を
イラン・イラク戦争時、積極的に支援していたのがアメリカだったと言うことを
知っていますか?
アメリカに利益になると判断すれば、人道に反していても支援し
アメリカの脅威になると判断すれば、正義に反していても力でねじ伏せる。
アメリカの言う「平和」がどう言うものであったか、
歴史をひもとけば見えてくることです。
「積極的平和主義」と、いかに美しい言葉で語られていても
その実態は「パクス アメリカーナ Pax Americana 」に
同調することになっていくでしょう。
そんな馬鹿な、と思われましたか?
でも、今までに日本がアメリカにNOと言えたことがどれほどあったでしょうか。
イラク戦争で、まっさきにアメリカ支援の手を上げたのは小泉政権でした。
最近になって、イギリスやアメリカは「イラク戦争が間違った戦争であった」と
結論づけました。
ちょっと待って下さい。
これって「間違っていた」ですまされる話でしょうか。
戦争で殺された人々に、その残された家族に彼らはどうやって謝罪をするつもり
でしょうか。
謝罪したという話はいまだ聞こえてきません。
もちろん、罪に問われたとも。
日本に至っては、イラク戦争参加への検証さえしていない状況です。
この状況で、本当にアメリカからの戦争参加への要望を拒絶できるのでしょう
か?
私は否、だと思います。
戦後60年、「憲法9条」は、そういった戦争に国民が巻き込まれないようにする
為の根拠、いわば民を守る盾でもあったわけです。
「憲法9条」を持つことによって、無益な戦争をさけ、さらに
「憲法9条」を持つことによって、「尊敬される国」であった現状を変えて
「普通の国」になりたいと思いますか?
私は思いません。
(つづく)