2013.04.14
今年の発表会(KLEINE KONZERT)が終わりました。
前回のトピックスで少しお話したように、レッスン場を解放しての小さな小さな音楽会ですが、それでも年ごとに、皆さん力をつけられて、聞き手にも楽しんでいただける素敵な会になってきました。
前半はソロを中心にお好きな曲を披露.
なかでも小学生から長くレッスンを続けてきた方がたの演奏が光ってました。
高校生になった一人はバッハのインヴェンションを2曲(1番・11番)弾いたのですが、一音一音に意味のある演奏で感慨深かったです。
実はこの選曲には裏話がありまして、、、最初私が提案したのはインヴェンションの第1曲目。これならば、まず間違いなく仕上がるだろうと。ところが、ちょっとした勘違いで彼女は11番を譜読みしてきてしまったのですね。
でも11番は1番に比べるとポリフォニーも複雑、それだけならまだしも内容が深くて、この音楽を表現できるかしら、と危惧したのですが、彼女は11番が弾きたいと、さらに1番と11番の両方とも弾いちゃ駄目かと。
いやもう、本人が弾きたいというのなら、これは応援するしかありません。
でも、バッハは応援するといっても、本人が腰をすえて、粘り強く楽譜と向き合ってくれないとどうしようもない部分があります。
努力
そう、バッハは今時はやらないこの言葉が不可欠な作曲家なんです。なので私の出来たことは、要所要所でアドバイスはしつつも、彼女の努力を見守ることだけ。そして、見事に彼女はそれを果たして、納得のいく演奏をきかせてくれました。
Bravo!
また、小学生から始め今や社会人となっているお一方。
彼女は仕事のある毎日をやりくりして、前半の’’とり’’をしっかりと努めてくれました。
最終奏者を努めるのは、自分の出番まで集中力を維持するだけでも大変なのですが(とくに人の演奏を聞きながらですから)、さらに彼女はギロックのソナチネを全楽章演奏したのです。
異なったキャラクターの曲を組み合わせるソナタ(普通は明朗な1楽章、メロディーの美しいゆったりとしたの2楽章、華やかでテンポの速い3楽章)を全楽章演奏するためには、曲想の違いを把握して、それを対比させる構成力が必要となってきます。
もちろん複数曲演奏するわけですから演奏時間も長くなって大変です。まぁ、実は長く演奏すると、演奏している間にのってくるなんてこともあるのですが。これはまたの話。
で、彼女はこの各楽章の違いをきっちりと弾き分けたうえ、ギロックの持つアメリカ的なのりの魅力も存分に聞かせてくれました。聞き応えがありました。
これまたBravo!!