2017.04.30
溢れる緑の中に 鯉のぼり
草花が揺れます 心も揺れます
一本のドキュメンタリー映画を観ました。
「標的の島 風かたか」
♪ 天からの恵み 受けてぃ此ぬ世界に
生まりたる産子 我身ぬむい育て
イラヨーヘイ イラヨーホイ
雨風ぬ吹ちん 渡り此ぬ浮世
風かたかなとてぃ 産子花咲かそ
イラヨーヘイ イラヨーホイ
沖縄は民俗芸能の宝庫。
サンシン 民謡 祭り 先祖供養
中でも、女の歌の強さに心が掴まれます。
八重山には、即興歌の伝統を継承する老婦人がいました。
これは広く東南アジアに分布していた民謡の原点です。
いえ、すべての音楽の原点と言っても良いかもしれません。
思いは言葉となり メロディという翼にのって 草原へ飛んでいく
人々は別れの辛さを、恋人への思慕を、出会いの喜びを
その折々に即興歌にのせて伝えていました。
今、その沖縄が泣いている。
なぜ彼らは抵抗するのか。
71年前、石垣島であったエピソードが挟まれます。
♪ ざわわ ざわわ ざわわ
昔 海のむこうから
いくさがやってきた ♪
むかし、島を守るために兵士がやってきた。
兵士は住民に森の中に移動しろと言った。
森はマラリア蔓延地域。
そこに移動することは病気になることを、死者がでることを住民は知っていたけれど
兵士に逆らうことはできなかった。
兵士が守ろうとしていたのは何だったのか、、、。
いえ、兵士もまた犠牲者だったのかもしれない。
ちょうど一年前の4月28日、
沖縄うるま市にて米軍属による女性殺害事件が起こりました。
「風かたか」とは、その被害者追悼式典にて歌われた「童神(わらびがみ)」に出てくる言葉です。
生まれたばかりの我が子の成長を見つめる子守歌が、美しく育った娘を悼む歌になりました。