2015.11.16
“指の爪で鍵盤をすべらせながら音階を演奏するやり方”
先日高校の文化祭でのステージ部門におじゃましてきました。まず吹奏楽とのコラボ。そしてピアノソロ演奏、その後合唱コンクールの審査員・・・と大いに文化な一日を満喫しました。あまり生のピアノ演奏を聴いたことがない高校生達でしたのでみんなの私を見る目は興味津々で、演奏への期待感が伝わってきました。
そんな時にいつでも大好評なのがグリッサンドです。吹奏楽との演奏の盛り上がるところでドゥルルルルル・・・・・・と入れましたら「お~」という結構な歓声が上がります。慣れていればそんなに難しい技ではないのでなんだか申し訳ないような感じなのですが・・・。
クラッシックのピアノ曲でもグリッサンドは時々登場します。
ラヴェル作曲「夜のガスパール」では、第1曲“水の精”で聴くことができます。水の波紋が広がっているのか水の精の水色のドレスがひるがえる表現なのか・・・。彼女の心模様のようでも魔法の力の表現のようでもあります。様々な色彩を放つ幻想的なグリッサンドだけでもいつまでも弾いていたいような美しさです。
同じくラヴェルの組曲「鏡」の中から第4曲“道化師の朝の歌”。こちらは華やかな効果があり、3度の幅(ドとミ、レとファなどの組み合わせ)のグリッサンドを片方の手だけで演奏するのでとても難しいです。(親指と中指をセットにしてグリッサンドするのです)ラヴェルの親指はとても大きくグリッサンドを楽々とこなしたということです。
その他に有名なのはベートーヴェンのワルトシュタインソナタの終楽章。片手でしなやかに上下するオクターブのグリッサンドは難易度ナンバーワンでしょう。(ド~ド、レ~レの組み合わせで親指と小指をセットにしてグリッサンドするのです)ポリーニが楽々とやってみせているのを見たことがありますが、ある程度手が大きくないと無理かもしれません。
また、おもちゃのチャチャチャの伴奏の最後もグリッサンドでの華々しいフィニッシュです。保育士志望の生徒さんが一生懸命練習されていたのを思い出します。今ごろかわいい観客の憧れを一身に集めているでしょう。
練習熱心な方に忠告ですが、このグリッサンドはあまり練習をやりすぎるとすぐに皮がむけて痛いのでご注意を。特に黒鍵のグリッサンドはおそろしいことに・・・。
おっと、近所の小学生の木琴の練習が聞こえてきましたよ。なんだかうまくいかないようですが・・・。あっ、始まりました!狂ったようなグリッサンドの嵐。なんとグリッサンドはストレス解消の効能もあったのでしょうか・・・。それに木琴ではピアノと違って簡単なようです!
熊本市東区健軍 ハートピアノ教室