2026.05.15
演奏中、手首が固まってしまう方は多く、肩こりや腕の疲れの原因になります。
「手首の固さを直すと楽に弾けるようになりますよ。」とお伝えすると「それって脱力ってことですか?」とよく聞かれます。“脱力” という言葉は本当にあちこちで独り歩きしていて、イメージ的にただ力を抜くこと、と勘違いされがちです。
脱力とは『必要な力だけを使い、不要な力を抜いた状態 』のことを指します。
本当の “脱力” には正しい理解とコツが必要です。手首を脱力する、という点では当たっていますが、それだけでは不十分で、他にもクリアしなければならない大切なポイントがたくさんあります。全部の力を抜いてしまうとぐにゃぐにゃで弾けませんよね。
①力を必要としない支えを作る
②強い音は、出す瞬間に力を入れる
この2つがポイントです。
①力を必要としない支えを作る
一例をあげると、自然に立っているときの身体の状態です。足には力を入れているわけではないのに、支える筋力を使っているから立つことができています。指も同じです。腕の重みがかかっていても支えられる指を作っていくことが大切です。音を出した時に『手首が固い』『肩が上がる』といった間違った使い方にならないように、少しずつ支える筋肉を活性化させていきます。
②強い音は、出す瞬間に力を入れる
ここが脱力という言葉の落とし穴です。 “脱力” とはいっても、必要な場面では力を使います。
強い音を出すには、その音を出す瞬間に適切な力のかけ方をします。
なんとこれは物理的に野球の投手やボクサーのパンチと同じ原理です。どちらもその瞬間に身体の重さや筋肉の瞬発力を使って、まさに一点に力を発射させます。
パンチは、相手の身体に当たるその瞬間まで自分の腕を緩めたまま動きを加速するといいます。腕はリラックスしたまま相手に向かって伸ばし、当たる瞬間に力を入れるのです。
まさにピアノで強い音を出すときと同じ動きです。
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本当の脱力は疲れにくくなるだけでなく、命中率も上がります。ピアノでは左右に離れた場所に腕を移動させながらいい音を鳴らさないといけない場面が多いのですが、弾く瞬間まで手首や腕を楽に保つことで、移動の速さがアップし、狙った鍵盤にスムーズに移動できます。
モグラたたきのゲームを思い出してください。なかなかモグラに追いつきませんね。あれは、どこの穴からモグラが出てくるか分からないことによって、無意識に身体が硬直状態になってしまうからです。
身体が固くなる
↓
たたきたいところに身体がついていかない、自由に動けない
ということが起こるのですが、もし仮に出てくる順番が分かっていてたたくなら、身体ははるかにリラックスし、的確に命中するはずです。
“脱力” とは、正しい支えとしなやかな瞬発力によって達成できます。
本日お伝えした①②はほんの一例です。この他にもピアノには強弱やタッチのやり方など、力の入れ方や音色に関わる動きのバリエーションがたくさんあります。
レッスンでは丁寧にお伝えしております。ご興味のある方は、どうぞ体験レッスンでお待ちしております。
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