2024.01.31
☆内声☆
4声の和声におけるアルトとテノールの部分。旋律を受け持つソプラノや和音の性格を決めるバスに対して、従属的な機能を持つ。
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ヴィオラはヴァイオリンよりも少し大きめの弦楽器で、音も低く独特の温かい音色が特徴です。このヴィオラが弦楽四重奏で受け持つことが多いのが《内声》です。
ピアノ曲で例えると、ベートーヴェン作曲【悲愴ソナタ】第2楽章、シューマン作曲【アラベスク】、リスト作曲【愛の夢】などの中音域の《メロディーではない音型》が《内声》に当たります。ピアノのレッスンではメロディーより大きく弾いちゃダメ、と注意されがちですが、指のあんばいの難しさですぐに大きくなってしまいます。
どの楽器の奏者もそうですが、ヴィオラ奏者は自分の演奏パートすなわち《内声》を演奏することに誇りをもっておられます。ピアノレッスンでは注意されてしまう、目立っちゃダメで可哀そうな《内声》なのにどうして好きなのでしょう。それはヴィオラの出す音がそのアンサンブルの音色の決定権を持っているからです。
響きの感覚は教科書や理論で習得できるようなものではなく、耳はもちろん身体全体を使って感じながら経験によって体得していくものです。アンサンブル全体をどういう音色で響かせるかは、ヴィオラ奏者のさじ加減一つにかかっています。音色はその四重奏団の顔です。同じ和音でも《内声》次第で響きがまるで違ってしまうので、ヴィオラは責任重大。メンバー全員からの厚い信頼がなければ務まりません。
さてこの《内声》を熟練して豊かな響きで弾くことは、ピアノ演奏でも避けては通れない重要な技術のひとつです。一人何役もこなさなければいけません。しかし上手く弾けた時の効果は絶大です。レッスンでは、弦楽四重奏や合唱を想像するところから説明し、楽譜を横のラインで見られるように意識を持っていきます。
そしてわざと「ヴィオラさんはこのミソミソミソミソとかレファレファレファレファをずっとやるだけなんだけど。」と、ちょっと意地悪に説明しておいて「じゃあ、Aちゃんはヴィオラさんやりたいかな?」と尋ねます。すると大抵「やりたくない。」という答えが返ってきます。
しかしそのあと偉大なるヴィオラ奏者のお話をして《内声》の響きの練習に入っていくと、生徒さんも納得して頑張ってくれます。《内声》をヴィオラ奏者になって丁寧に弾くと、演奏が立体的になり、倍音が豊かに立ちのぼるのです。
熊本市東区健軍ハートピアノ教室