2023.12.15
今年も健軍神社のいちょうが黄金色に輝いています。樹々に囲まれた神社からはいろいろな鳥の声が聞こえてくるのですが、その他にもよく聞こえてくるのは神社の掃きそうじの音です。
シャッシャッシャッとスピード感のある引き締まった掃わく音(熊本弁で“掃く”は“掃わく”と言います)は、静かな神社の周辺に心地よく響きます。落ち葉をただ掃いている音なのに、あたり一帯の空気も澄み切っていくような音です。
もちろん境内も常にキチンとお掃除が行き届いています。神社の方は参拝の時は烏帽子に美しい柄の装束をお召しですが、お掃除の時は和服の上着に袴か、ゆとりのあるズボンと麦わら帽子です。その風景の中に、前撮りに来られた花嫁さんが清らかに佇んでいることもあります。
神社の職員の方々の掃き仕事は、境内だけでなく敷地の外や道路など年中無休です。特に落ち葉の季節はフル回転。
ちょうど我が家の前を掃わいてらっしゃる時「おはようございます。」ご挨拶をすると「お宅の花も綺麗かですな~」と、ニコッと返してくださいます。そしてまたすぐに仕事に戻り、シャッシャッとすがすがしい音を響かせて去って行かれます。私もその後ろ姿のシャッシャッにうっとりして、自分の家の玄関先をシャッシャッっとやってみるのです。
さて話は変わってある日のレッスンのこと。元気印の幼稚園生Aちゃんが玄関を開けるやいなや「せんせーどんぐり!!」と叫んでいます。小さい子は視線が低いので、地面に落ちているものがよく見えるようです。
神社と違い、お掃除が行き届かないことの多い我が家の玄関先では、夏はダンゴムシやアリさん、カメムシやトカゲ、ショウリョウバッタがいたり、寒くなってくると、落ち葉や動物の死骸、木の実などが落ちたりしています。
「わぁどんぐり見せて〜。」と言ったら、ちっちゃいおててに握った木の実を、そうッとパァして見せてくれました。
趣味はガーデニングと言いながら、玄関前のお掃除がしばしば手薄になるのは大いに反省すべき点。もみじやエゴノキの葉と実はこの時期容赦なく降り注ぎます。
でもどんぐりの実(ホントはエゴノキの実なのですが)だけは掃わかないで残しておこうかな…。シャッシャッシャッシャッ…シャッシャッ…
熊本市東区健軍ハートピアノ教室