2023.03.27
時代劇『遠山の金さん』で、金さんがもろ肌を脱いで桜吹雪を見せるシーン。なんてカッコイイんでしょう!
遠山の金さん役は何人もの俳優さんが演じていますが、中村梅之助さんの金さんは、まだ小さかった息子と再放送を見ていて、すっかり彼がテーマソングを覚えてしまったという思い出があります。
歌が終わってからの、“つっチャラうっチャラうっチャラうっチャラ♬“というリズムの後奏は、なんとウンタッカウンタッカという“休符を待って入るスキップ”という難しい技なのですが、ノリノリで楽しいリズムなので、小さい子供でも身体で覚えて大好きになっていつも歌っているほどでした。
そういえば就学前の小さい生徒さんの好きな曲は『すうじのうた』『どんないろがすき』『やきいもグーチーパー』などスキップの曲が多いようです。他にも『おうまはみんな』『貴婦人の乗馬』(ブルグミュラー)『ミッキーマウスマーチ』『フニクリフニクラ』もごきげんでノリノリです。カスタネットを持たせると、リズムよく身体を動かし楽しそうにカチカチたたいてくれます。
ところが、ノリノリではない、深い心のありようを表現しているスキップもあります。『アラベスクハ長調』(シューマン)の抒情性や『革命のエチュード』(ショパン)の右手のテーマのでの究極の心の叫びなどです。
民族性によるスキップの弾み方の違いなのでしょうか。ヨーロッパのスキップが馬の蹄のような弾みのある感覚だとすれば、日本のスキップは大地を踏みしめるようなスキップ。平均律クラヴィール曲集第2巻ト短調のプレリュード(バッハ)や『モンタギュー家とキャピレット家』(プロコフィエフ)といったヨーロッパの曲と『あんたがたどこさ』のスキップのノリの違いを感じてみると分かります。そのせいか、J-POPにスキップは意外と少ないようです。ジャズのswingのリズムになってくるとまた全然感じ方が違います。
クラシックのスキップは私にとってちょっとよそ行き。バレリーナのように背筋を伸ばして凛としている感じがします。でも日本人の私にはやはり『金さんの歌』のスキップのノリがしっくりきて落ち着く感じがします。息子との懐かしい思い出と共に…。
熊本市東区健軍
HEART PIANO ハートピアノ教室