2023.03.15
二千円札にはすべての字体が含まれるのだとか。メディアや看板でふと目にする文字の字体に注目するのは興味深いです。その中でも隷書と篆書は難しそうな書体ですが、意外と世の中にあふれています。
隷書は、紙幣、省庁の看板、新聞名、お薬『龍角…』やお酒の名前にも使われています。隷書は安定感と装飾性を兼ね備えているので、デザイン的にも美しく、格調の高さを表します。(ちなみに東京藝術大学は隷書体)
篆書は漢字のもっとも古い書体で図形に近く、印鑑などにも使われます。いにしえの香りと、読みにくさゆえの時空を超越した絶対的な感じとが、完璧な効能のようなものを感じさせます。
メガネのお店の看板や年賀状の干支で見かけたりしますが、数年前に大ブレイクした『呪術…』というアニメの題名では、篆書体風の字体があらすじと見事にマッチしていますね。
さて、字体も面白いですが漢字の意味も興味深いものです。
『音楽』の『音』の元になったのは“言”で、ことばを表わす文字です。『音』の下の部分の“日”は口の中に一を加えた字。これは普通の言葉とは違う調子を付けた音声の意味を表します。
『楽』の元になった字は、木の枝の先に丸い山繭を付けている様子です。(写真参照)両手に鈴を持って踊っている人のようで、見るからに楽しい文字です。
また、『歌』という字は、口を大きく開けて(欠)声をのばす(可)という意味があります。他にも『奏』は開いた動物のからだを両手で捧げ持っている形からきており、いけにえの動物を神に捧げる意味を表しています。
魅力的な隷書や篆書ですが、ピアノ教室の看板には合わないかな、という先入観にどうしてもとらわれてしまうわたくしです。
しかし実際あったら、ちょっと怖そうだけどまさか呪術か何かが有りげ(?)で上手くなりそう…。案外いいかもしれません(笑)。
熊本市東区健軍
HEART PIANO ハートピアノ教室熊本