2020.11.15
知人に黄色の花びらに茶色の模様が入ったお花をいただきました。食卓に飾ったらとてもきれいで心なごみます。秋はたくさんの色で世の中が溢れる季節。イチョウは黄金色に色づき、もみじは赤や茶系のバリエーションで樹々が競演します。庭ではメキシカンセージがパープル色の綿毛をそよめかせ、キンモクセイは鮮やかなオレンジ色、公園ではまるで革製品のような光沢の茶色の大きな葉も発見します。
お天気の良い初冬の昼間は暖かいのに、夕暮れ近くなると太陽の光は急にくすんで、鮮やかな色の街を物悲しさで包んでいきます。そうしてしばらくして気が付くともう西の空は赤く染まって、樹々のひとつひとつの影をくっきりと照らし出し、その影がやがて冷たい夜の闇へと変身していきます。レッスンがあるので、普段は夕方出かけることがあまりなく、そうでない日でも何となく夕飯の支度が気になって早めに帰路を急ぎがちです。たまに夕暮れ時に外にいると美しいものの発見をする貴重なチャンスになります。いつかコンサートの帰りに見た夕日に照らされた雲の美しさは、本番が終わった安堵感と共に忘れられません。自然の色彩の美しさは本当に感動的です。
音楽にも色彩はつきもの。ロシアの作曲家スクリャービンは音が聞こえると色を感じる「共感覚」の持ち主で、嬰ヘ長調を青、ハ長調やヘ長調を赤.地獄、として捉えていました。
彼はジャン・デルヴィル(Jean Delville、1867年 - 1953年)の絵に影響されたと言われていますが、この怖い絵と音を色として感じるイメージが、彼の桁外れに壮大な想像力をかきたてたに違いありません。
《プロメテウス-火の詩》という曲では「色光ピアノ」なるものが使われました。これはピアノの鍵盤と様々な色の照明を連動させたもので
ド=赤、 ソ=オレンジ色.火のような、 レ=黄.太陽 、ラ=緑、 ミ=青緑 、シ=薄い青 、♯ファ=深い青、 ♭レ=すみれ色.紫、♭ラ=ライラック色 、♭ミ=金属的な 、♭シ=グレー 、ファ=深紅 、というように、弾いた音の色のライトが聴衆に向かって照らし出されるという仕掛けがされています。色とりどりの楽しい交響曲かな?という期待とは裏腹に、とても理解に苦しむ曲ですが…。
熊本もいよいよ寒くなってきました。薄手のボルドー色(♭レ?)のコートを羽織って公園へ出かけようと思います。バックは黄色(レ?)を選んで、と…。あっ、この組み合わせってあの寒い日においしい食べ物ソックリ!やだ~
熊本市東区 健軍
HEART PIANO ハートピアノ教室