2018.03.24
3月25日はドビュッシーの命日、しかも今年2018年は没後100年です。「アラベスク」や「夢」、「月の光」、「水の精」などのピアノ曲、また「ペレアスとメリザンド」交響詩「海」といった管弦楽曲の数々の傑作は聴く人を異次元にいざないます。なんと彼はピカソと並ぶ女性遍歴の持ち主。女性の長い髪の毛に強い執着を持ち、長い髪の弟子がピアノを弾いている時には髪ばかりを眺めていて全然聴いていなかったという逸話があります。そしてロセッティの絵を好みました。
1905年作曲の「映像」という曲集は 1.水の上の反映 2.ラモー礼讃 3.運動 の三曲です。
1. 水の上の反映 は水面のきらめきを表現した曲で、印象派音楽を代表する作品。
2. ラモー礼讃 は18世紀フランスの作曲家ジャン・フィリップ・ラモーを讃える曲。
3. 運動 は三連符の動きがグルグル回っているように何小節も続く異色作。
以前はこの“運動”という曲が苦手で、ブンブンビュンビュンばっかり続くのが苦痛でした。1,2,3,4,5,6,7,と、7回同じ形の三連符を弾いて8、で違う音がきます。メロディーのようなものも出てきますが、下降したり上行したりするだけ。ドビュッシーが愛したあの長い髪のような流れる美しさは皆無です。
ところがある日チョコレートケーキを作っていた時に退屈だと思っていた“運動”の面白さに気が付きました。電動泡だて器はスイッチを入れると回転して生地を泡立ててくれるのですが、作り手も器械をもってボールの中でくるくると更に動かします。その時この少し重めの生地を混ぜるモーター音がドビュッシーの“運動”に聞こえてきました。普通にメレンゲを泡立てる時にも試してみましたが、やはりこの時のチョコレートケーキの生地のようにもったりとしていないとダメなようです。
1905年はドビュッシーが最後の妻エンマ・バルダックと駆け落ちして結婚した頃。可愛い娘シュシュの誕生ももうすぐです。しかしこれまで交際した女性たちの中にはドビュッシーが去ったあと自殺未遂をしたのが分かっているだけで2人…。芸術のインスピレーションの泉として使い捨てされた悲しき芸術家の妻たち…。ピカソと暮らした女性たちも彼がいないと生きていけないと言って自殺したり、精神に異常をきたしたりしたので、この芸術家たちはよっぽど魅力的だったのでしょうか。少しだけ会ってみたい気もします。
♬「運動」チョコレートケーキの作り方🎂
材料 直径18㎝の丸型1台分
1薄力粉156g
2コーンスターチ36g
3砂糖180g
4ベーキングパウダー小さじ3
5ベーキングソーダ小さじ2分の1
6バター180g
7ココア液(ココアパウダー48g熱湯186cc)冷ましておく
8卵2個
① 1,2.3.4.5.6を電動泡だて器で90秒混ぜる
② 7,8を3回に分けて入れ電動泡だて器で30秒ずつ混ぜる
③ 170℃のオーブンで20分、160℃に下げ10分、150℃に下げ35分、全体で65分かけて焼く
④ お好みでチョコクリームを塗ったり、アプリコットジャムを挟んだりしてもおいしい
かなり濃厚なので一切れで十分満足。
パーティーの差し入れにぴったり。
メールアドレス変わりました↓
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HEART PIANO ハートピアノ教室 090-5478-1106