2017.07.29
さあ今日はイ短調プレリュードです。
明夫くん「こんにちはHEART先生。楽しみに来ました。」
HEART「この前のハ長調のプレリュードより難しかったでしょ。」
明「若干難しかったです。左手が動かんだったです。」
♪~~~明夫くんの演奏~~~♪
明夫くん「どうでしたか?僕的には激しい悲しさみたいなものを想像しながら弾きました。やっぱ左手が思うように弾けんとがちょっと…。」(くやしそうに)
HEART「短調の性格をよくとらえて強い悲しみが迫ってくるような演奏でしたね。では今回はもうひとかたの演奏を聴いてみましょうね。会社員の美香さんです。子供のころピアノを習っておられました。」
♪~~~美香さんの演奏~~~♪
明「わあ~。テンポも弾き方もぜんぜん違うですね。悲しいんだけど、僕よりゆっくりとしていてもっと秘めている感じっていうか。いい曲だな~と思います。」
H「そう。前回も言ったように弾く人のイメージで曲の印象ががらっと変わるところがバッハのおもしろいところでもあり、難しいところです。テンポ以外でも、スラーやノンレガートを使う場所(アーティキュレーションの付け方)でも変わります。美香さんいかがですか?」
美香さん「子供のころ習っていた先生は結構バッハがお好きでよく弾きました。このイ短調は初めてですが、イメージとしては淋しい感じと共に雅な感じもします。古き良き時代の優雅な時間の流れのような…。」
明「だけん雰囲気がぜんぜん違ったんですね。僕はこの曲にはもっとせっぱつまった苦しみさえ感じます。」
H「4小節目4拍目までが“テーマ”(主題)です。バッハはこのテーマ”というものが右手に出てきたり左手に出てきたり、調を変えて出てきたりします。だから5小節目からは左手が主役でホ短調の“テーマ”を弾きます。右手がメロディー左手が伴奏という思考をリセットしてください。」
明「あ、分かった。一回表は1塁側スタンドから応援が聞こえてたけど一回裏の攻撃では3塁側スタンドから応援が聞こえる感じ?」
H「うふふ、今二声だからそれで大丈夫ですよ。でもこのあと三声、四声、五声とかも出てくるから、合唱団を思い浮かべるといいかな?いろんなパートから“テーマ”が聞こえてきます。」
明「13小節目からが難しかとですよ。」
H「ここで早速今言った三声が出てきてます。イメージとしては3人で演奏しているような。26小節目からも同じようになっています。」
明「三声って3人分でしょ。手は2本しかなかけん難しかです。HEART先生どうしたらここが速く弾けるようになりますか?」
当たってくだけて平均律クラヴィーア曲集 第3回イ短調プレリュードその②に続く…。