2022.01.26
教室でよく使うテキスト『アキピアノ教本』の
1巻に、『はじめてのニたんちょう』という曲があります。
先日のレッスンでは、小1の生徒さんにおうちで『あかるいきもち』『かなしいきもち』について書いてきてもらい、それを話題にしたり、
色鉛筆の色をそれぞれのイメージに分けてもらったりしました。
私はこの曲でいつも生徒さんに、長調と短調のお話しをします。
分かりやすく言ってしまえば、長調は『明るい曲』、短調は『暗い曲』なのでしょうが、そういう教え方はしたくないのが本音です。
なぜなら、『明るい』にも色々あって、例えば子供たちなら、クリスマスや誕生日を待つ時のワクワク感と、自転車に補助輪無しで乗れた!という時の達成感は、どちらも嬉しい気持ちですが、別の感情です。
同じように、『暗い』にも色々あって、親や先生に怒られた時、お友達と喧嘩した時、大切な誰かの死を目の当たりにした時の感情は、それぞれ違うと思います。
(『暗い』と教えてしまうと、子供たちはなんとなくマイナスのイメージを持ってしまい、発表会の選曲などでなかなか短調の曲を選ばないので、あえて『かなしい感じの曲』と教えます。短調にも美しい曲がたくさんあるので、レッスンでも、そのような名曲に触れる機会をたくさん作りたいものです)
ですので、教える時は大まかに、「聴いてみて明るい感じの曲は長調、悲しい感じの曲は短調だよ」と教えますが、その後に、その子自身の言葉や色のイメージ、絵などで考えてもらうことを必ずしています。
分かりやすく伝えることと、子供たちの自由な感性をそのままに伸ばしてあげたいという気持ち。
バランスを取りながら教えるのはなかなか大変なことですが、いつも見失わずにいたいと思います。