2015.09.03
秋のコンクールに向けて準備がすすんでいます。
10月3日に本番を控えた小2の男の子さん。
バッハのメヌエット115、平吉打毅洲の「夕顔の花が咲いたよ」「はつかねずみの運動会」の3曲を弾きます。
3曲とも仕上がりは順調なのですが、「夕顔の花」が何かしっくりこない。
フレージング、強弱、音のバランス、問題なくきれいに弾いているけれど、何か伝わるものがない。
昨日のレッスンで、夕方に対するイメージを生徒さんに聞いてみました。
「きれい」
「うんそうだね。夕焼け赤くてきれいだよね。それから?」
「楽しい」
「ん?楽しい? どういうところが」
「夜が始まるから」
えっ! 予想してない答えでしたが、納得しました。
今現代の子供のもつ夕方のイメージが、私たち大人と違いすぎます。
今は外遊びをせず、ゲームやTVが遊びの中心ですから、朝も昼も夜も同じ。
夕方に感じる切なさ、暗闇の怖さなどを感じる経験がないのでしょうね。
私が子供時代に経験した、夕方の話しを聞かせました。
子供の楽しみは、暗くなるまで外で遊ぶこと。
楽しい1日が終わり、友達と分かれる夕方がどれだけ切なかったか。
空の色が刻々と変わり、辺りが闇に包まれ、夜に呑み込まれていく気持ち。
大人は、夕方を人生に重ね合わせて、感傷にひたりますよね。
今までになかった夕方のイメージを感じた生徒さんの演奏は、前とは全く違ったものになりました。
子供なりに、感じることを精一杯音に出してくれたので、とても美しい「夕顔」になりました。