2015.09.05
前回に続き、「表現」について書きます。
表現とは、自分の感情や思想・意志などを形として残したり、態度や言葉で示すことです。
表情豊かに曲を奏で、表現するには、音楽への感情や思いが、自分の中にあることが大切ですね。
何年か前に、「波のアラベスク」という曲を弾いた11才の男の子がいました。
海の中をゆらゆらと漂うような雰囲気や、荒々しくせまりくる波が幾何学模様を描く、小品ですがスケールの大きい曲です。
生徒さんが弾いていて、さぁ、来るぞ!と盛り上がるところが、盛り上がってこない。
生徒さんに、迫りくる波を想像するように言いましたが、やはり、盛り上がらない。
生徒さんに、聞いてみると、海に行ったことがなく見たことがないから、プールの波をイメージして弾いているとのことでした。
海の写真集を見せながら、海の中がどうなっているか、波が押し寄せてくる感じを教えました。
自分の中に無いものは、出てこないですから、音楽を表現するには、たくさんの人生経験が必要です。
自然を見たり、いろいろな喜びや、悩みを経験し人生を重ねるほど、表現ができるようになります。
当然知っているだろう、分かっているだろう、と大人にとって当たり前のことでも、数年しか生きていない子供にとっては、全く未知の領域なことは多いです。
音からは、いろいろなものが伝わってきます。
音を聞くと、その方の内面が垣間見えるときがあります。
レッスンでは、ピアノのテクニックだけでなく、曲の背景、風土や気候、自然現象、文学、歴史、人の心理感情論など、曲を通していろいろなことを伝えたいです。
音楽を通して、人間の中身を充実させるお手伝いが出来るといいです。