2017.11.03
当教室にいつから吊るされているのかわからない、魔女である。
ピアノの上の天井から、ぶらさがっている。
そして、なぜかいつも向こう側を向いている。
エアコンの風に吹かれてたまに動くと、こちらを向く時もある。が、たまーに、である。
小さい生徒は口をそろえて、「あれ何?なんでこっちを見ないの?」と聞いてくる。
「なんでだろうねー?今度来た時はこっちを向いているかもしれないよ。」
「ふーーん。」
「・・・・・・・・」
しかし次に来た時もこちらを向いていないのであった。実は私もどんな顔だったか覚えていないのだ。見てみたくなった。
「ピアノの反対側からなら見えるかもね。」「うん。よーし」
残念ながら反対側は壁である。
子どもよりも壁に身体を押し付けて覗き込もうとする私。むずかしい・・・。
長い棒、長い棒。
キョロキョロ見回す大人の傍らで、既に興味が失せて他を見ている子どもがいた。