2019.11.25
「dolceって何語か知ってる?」
好奇心旺盛な小学生の生徒さんにレッスンで聞いてみました。
「……。」思いがけないことを聞かれてつぶらな目でこちらを見ながら考えています。
自分で弾く力をつけるためにも、よく出てくる楽語は読み方も意味も覚えて欲しいと思っています。
そのためにもともと持っている言葉の意味を伝えることもあります。
たとえばdolceの元々の意味は〝甘い〟という意味で、甘いお菓子をドルチェということなども伝えます。
でもまだしっくりこない様子だったので、あの質問をしてみたのです。
「イタリア語だよ。」
「へぇ〜!」
「日本語と英語は知ってるでしょ?音楽の言葉にはイタリア語がたくさん使われているんだよ。
イタリア語がわかるなんてスゴイね!」
その生徒さんはとても嬉しそうにうなずきました。
そのレッスンではイタリア語だよということを伝えただけだったのですが、次の週のレッスンから演奏が変わりました。
確実に楽語や音楽記号を表現しようとしているのが伝わってきます。ピアノで一生懸命語っているのです。
そこでその変化を確かめるために、楽譜の楽語を指しながら意味を尋ねてみました。スラスラ言えます。しかも演奏に必要な記号の意味もスラスラ言えます。
楽譜に書いてあることがその生徒さんにとって意味を持つものになったのですね!
たまたまその日レッスンに同席できなかったお母様がお迎えの時に、この嬉しい変化をお伝えしました。お母様もとても喜んで、良かったね!と笑顔で生徒さんに声をかけると生徒さんも満面の笑みがこぼれていました。
思っていることはちゃんとピアノが伝えてくれます。指導者にとって当たり前になってしまっていることも、ひとつひとつ丁寧に説明することの大切さを実感しました。