2026.07.22
「本番で緊張してしまいます。」
これは多くの生徒から聞く言葉です。
緊張への対策は生徒によって様々ですが、その土台となるのは、やはり本番までの準備です。
練習にはたくさんの工程がありますが、その中でも私が特に大切だと感じているのが、「自分で意思決定をすること」です。
「ここはこんな音で弾いてみよう。」 「このテンポなら自分らしく表現できる。」 「今日はこの課題を重点的に練習しよう。」
こうした小さな選択を積み重ねることで、演奏は少しずつ自分のものになっていきます。
本番でピアノの前に座ったとき、「先生に言われた通りに弾かなきゃ」「間違えないようにしなきゃ」と考え始めると、意識は音楽ではなく、ミスをしないことへ向いてしまいます。
それでは、本来持っている力を十分に発揮することは難しくなります。
一方で、自分で考え、自分で選びながら準備してきた生徒は、本番で思い切って演奏できます。
そして演奏後には、「次はここをもっと良くしたい!」と自然に次の課題へ目を向ける姿があります。
その姿は、とても頼もしく感じます。
本当の自信とは、「失敗しない自分」を信じることではありません。
今の自分を受け止め、できたことも、できなかったことも学びに変えて前へ進めることです。
本番は、自分の価値を証明する場所ではなく
今の自分の現在地を知り、次の一歩を見つける場所だと思っています。
その積み重ねこそが、本当の自信となり、学び続ける原動力になっていくのだと思います。