2016.05.20
発表会での演奏曲のレッスンのため、[別れ]のタイトルがついた「森の情景」最後の1曲を残していたSさんが この曲のまとめにかかりました。「どういう別れなのかしら?」と…。この不思議な森から出る時の事? 精神状態が不安定だったシューマンが 闇をさまよい、やっと光のある場所へとたどり着いたように聴こえたりして…。闇との別れ?? でもとってもきれいなこの曲の最後を締めくくる和音は ちゃんとした響きの協和音なのに うん、何かまだ言いたいような微妙な響きだよね、とSさんと話しながら全9曲を振り返ります。 内声部のメロディ―の流れにハッとしたり 弾く事が難しいテク二ックが短い1曲に駆使されています。ショパンともリストとも違う彼だけの魅力… 同じ年のショパン、一つ下のリスト・・・ 生まれてきた時代がいけなかったのでしょうか。もっと「俺様!」な性格なら良かったのかも。「シューマンの指」の作者さんは 彼の曲の数々をすごく深いところまで踏み込んで よく研究し絶賛していますよね。私も読みながら「うんうん、そう思う!」と思わず賛同し、彼の作品に 彼にしかない魅力をあらためて突きつけられます。音楽の伝統を引き継いでいくっていうのかなぁ、ベートーヴェンやバッハの曲を十分にアナリーゼしながら うまくそのつくりを取り入れ 自分にしか出せない新しいメロディーを創り上げていったのだろうな、と。ブラームスの才能を見出し、自宅へ住まわせるなんてことするから 余計に自分の精神を追い込むことになったのではとも思います。駆け落ちしてまでもひとりの女性を愛したシューマン。ピアニストである奥様のクララへの想いを込めて創った曲はたくさんあります。同居させたブラームスが クララに想いを寄せるようになってからは ほんとに気が滅入るような日々でしたでしょう。アンタ、おバカねえ!という友人もいます。「世界にひとつだけの花」を聴いてごらん、もっと自分に自信持てよ!なんていう友人も・・・ 大学時代、漠然と弾いたシューマンの曲の数々、でも友人もみな シューマンの曲は大好きです。私も好きですが 若いなりに「?」という違和感を感じたのは「幻想小曲集」の[飛翔]でした。飛翔という言葉にはのびやかさがありますが 何か「もがき」のようなものをメロディーに感じ、曲の終わりも メインテーマでバシッと決めているのに 何となく消化不良で「だから???ナ二!?」と思ってしまいました。もう一度調べなくちゃ。先があるのかないのかわからない不思議感いっぱいの「森の情景」に繋がる気がします。Sさんと全曲勉強できて 良かったです。[予言の鳥]をもう一度聴く。ウヒャヒャ、不思議な異世界へ連れて行かれそうなこの曲、クセになります♪ シューマンの事、もっとしっかり調べなくちゃね。「シューマンの指」もはやく最後まで読み切らなくちゃ。入院中にけっこう読み進めたんだけどナ。やっぱり「エッ??‼」と思う事のチェックが入ると 楽譜の方へ飛んじゃいます。だから進まない‼
話は変わりますが コンサートで最初に暗譜を始めたのは シューマンの愛妻・クララだそうです。それまでは 楽譜を見て演奏するピアニストさんばかりだったのが ベートーヴェンのピアノソナタ「熱情」を 彼女が初めてコンサートで暗譜演奏し 彼女に続け!とばかりにみなさん暗譜演奏、現代に至る…なのでしょうか。シューマンの愛したクララ、ほんとにステキな女性、そして素晴らしいピアニストだったのでしょうね。シューマンにピアノ・コンツェルトが1曲だけある、と知ったのは 音大生の時、師匠がナゴヤフィルさんとの共演で ステージに立たれた時でした。初めて聴いたその曲は・・・ とても甘やかなテーマメロディーがステキ♥な(クララのテーマといわれるそうです)でもすごく演奏技巧もあざやかで 情熱も感じられ、衝撃を受けました。もともとはファンタジ―として創られ、コンツェルトになったと聞いています。ロマンティックで でも繊細さとダイナミックさの対比を 師匠は見事に表現していらしたのを覚えています。7月、外山啓介さんが ベルリン交響楽団さんと このシューマンのピアノ・コンツェルトをサントリー・ホールで共演されます。ピアニスト殿ならではの 澄んだ美しい音色と 曲に込めた想い溢れる情熱を感じさせてくださる事と もう楽しみで楽しみで、ワクワク❤ 最近、翌日の遠足や運動会を楽しみにする子供の様にコーフン気味で寝つきが悪いデス。シューマンの新たな魅力も発見できそう☆ よし、「森の情景」終了を機に いろいろ調べてみよ~っと♪
★ そうそう、ピアニスト殿の7月15日のシューマン・コンツェルト コメント動画がアップされていますよ~。ファンの皆様、もうご覧になられましたか? ムフフ❤