2016.05.03
4月29日、しらかわホールへ 例年どおり「カワイ・コンサート」へ行ってまいりました。ドビュッシー、ラヴェルのきらきらと光るような音、大好きなSK・EXで聴きました! 大満足♪ ショパン・コンクールで審査員もされるという 海老彰子先生の演奏です。ホントに光を纏うような響きが素敵でした。欲を言うと もう少し ふわっと感が欲しいかナ、と。「雨の庭」やラヴェルの「ソナチネ」など好きな曲もたくさん、EXの美しい高音部からは☆がこぼれてくるようでした。おまけにアンコールでは ショパンのバラード第1番他、大サービスと言える演奏でした。海老先生のパワフルさに脱帽です。
一緒に聴いた生徒さんとサヨナラして 同行してくださった友人のE・Tさんとお茶を。そこで彼女が 及川浩治さんのCDをくださいました。リスト「ハンガリー狂詩曲第2番」がはいっています。帰宅してから聴きました。この曲は・・・ 子供のころ見ていたアニメ「トムとジェリー」で1曲まるまる使ってのストーリーが楽しく、燕尾服を着たピアニストのトムくんがこの曲を演奏、ジェリーがいたずらを仕掛けて走り回ります。ピアノの中のハンマーでのいたずら、トリルが止まらなくなったり音がピョンと跳んだり、これが楽しくて、再放送も何度か見ました。曲名をやっと知ったのは 高校生の時、曲に合わせてのふたり(2匹?)の動きや鍵盤上のトムの指の動きが曲のとおりで 感心と感動! 今もこの曲を聴くと、そのシーンが浮かびます。楽しくて大好きです♥
実は先日、テレビの某番組で「神童とよばれる子供たち」という特集を見たのです。ヴァイオリンが9才の女の子、ピアノが12才の男の子でした。巨匠と呼ばれる先生にレッスンを受け、確かにこの先が楽しみな演奏をしてくれましたが、私の目に焼き付いたのは 彼らの顔の「表情」。子供らしさが無いのです。音楽の神様がお与えになられたであろう「才能」をいかんなく発揮し 日々努力と勉強を重ね、その才能をさらに開花させていくのでしょうね。なかなかできることではないし その大変さはわかっているつもりです。でも・・・ 周りの事にもたくさん目を向けてほしいナ、と思う私です。今、自分の教室のレッスン生の中にも二人、音大へ進む覚悟でレッスンしています。一つをめざし、他のことはたくさん捨てなくてはならないのですが、彼女達らしさは失ってほしくないと 私は思います。レッスンが終わるとおしゃべりもし、好きなアイドルの話も聞き・・・ 専門の道へ誘うには 私の接し方は頼りなくて甘いかもしれない、間違いかもしれないな、と 神童たちの表情を見て思ったのですが・・・。でも音楽以外にも 日常生活の中に 喜びや感動を知り、敏感に感じ取る人になってもらいたい。ピアノに費やす時間と心は たくさん前向きであってもらわないと音大への道は簡単に歩めません。私、すごく矛盾したこと言ってますね。でもこの想いで 今までに3人、ピアノ講師を育てました。私自身ももっと世の中を見て いろんなことを知り、それと同時に感受性も豊かになる用、勉強しなければいけませんね。これからプロになってゆくであろう神童たち、でもね、「トムとジェリー」を見て 素直にケラケラ笑える子でもあってほしいな。この番組を見た同じ日の夜、NHKで「プロフェッショナル」という番組もあり、これまた各界の若き才能を取材した映像でした。16才の高校生ピアニスト、彼は12才でデビュー、コンクールでの賞を取り、CDも出しと大活躍。一時期、同じ中村区に住んでいたこともあり、周りから注目されもてはやされ… そんなかわいい坊やだった彼も 今では身長も伸び、声変わりもし ずいぶんと雰囲気も変わりました。ホールでの響きを敏感に感じ取り 演奏方法を変えたり、楽譜をじっくりと読み込み、その中にしかわからないことを探り出し、メロディ―の中に隠された別の旋律も響き出し… とまぁたくさん勉強しているようです。でも12才の頃の彼は・・・ テレビで見るのは「報道ステーション」だけ、人気アイドル「嵐」も知らないという子でした。ロシアへの留学を体験して、今はどんな人になったのでしょうね。マネージャーさん思いのやさしい子のようで ひと安心。ビックリしたのは 彼が周りの人を意外と冷静に見ている事。「タレント・ピアニストになる気は無い!」とはっきり言い放ったのだ。お客さんを見て「あゝ、ピアノを聴きに来ているのではないな」ということもちゃんとわかるのだそうです。もちろん、一部のミーハーさんのことをいっているのですが。自分のピアノを本当に聴いてくれているのかを お客さんを見て彼はちゃんと感じている! ほんとにもうプロの領域ですね。これから人間としても もっと大きくなってゆく道を歩んでもらいたいです。