カワイピアノコンクール 九州本選会レビュー 浅川陽鞠さん (その1)
2026.04.17
カワイ・プラっとモール教室で毎週月曜日に指導している浅川陽鞠さんは2025年12月開催のカワイピアノコンクール長崎地区予選会優秀賞を受賞しました...それに伴い進出した九州地区本選会が、2026年4月12日㈰に開催され見事な演奏を披露していただきました。
【演奏曲目】
J.S.バッハ作曲
小前奏曲第6番BWV938
A.カゼッラ作曲
前奏曲Op.35-1
オルゴールOp.35-9
最後のギャロップOp.35-11
今回の陽鞠さんの演奏はレッスンの成果を完璧に表現、ほぼノーミスで演奏を終えました。今回の課題の一つは「可能な限りミスをしない...」ということでした。これまでは曲の終盤や、普段したことのない箇所で弾き直しを行うことがあり、それをどのようにクリアーするかが課題でした。
曲想を捉えるにあたり参考にしたプロの演奏家の音源があり、文字通りどれもこれも見事な出来映えで曲を理解するうえで大きなヒントとなりました。目指した演奏の完成度もその域に近付けることになり、その結果当然のこととして小学校を卒業したばかりの少女が弾く演奏速度の設定とは思えないメリハリが表現されていました。
楽譜にはさまざまな指示がイタリア語でなされています。速度に関しては、最も遅いLento(レント)から、最も速いPrestissimo(プレスティッシモ)までかなりなレンジの開きがあり、その幅は時代によっても違っていますが、近現代になるほど大きくなるようです。私が気になり、何度も見直しネット上で検証していた「Prestissimo」についての解釈ですが、今回私の手元に届いている審査の先生によるコメントによると、私自身の認識との間に齟齬(そご)があったようです。
終曲の「最後のギャロップ」はトータル79小節のうち、冒頭から速度表記Prestissimoからわずか4小節目でAllegramenteとあり、速さに加えて楽しい気分や明るい表情を表現することが求められています。終盤の59小節ではStringendoとの表記があります。 Stringendoは「だんだん速く(締め付けながら)」を意味し、ただ単に速度を上げるだけでなく劇的な効果を生み出す...とあります。そして66小節目にはAncora piu prestissimo とあり、Ancoraの意味は「さらにもう一度」ですから、それまでの速度をさらに強調、継続すことを求められています。陽鞠さんはそのすべてを忠実に表現したのです(つづく)