2026.09.28
リトミックで、「音、聴いて〜!」
と声をかけても、子どもたちの動きが音楽と今ひとつリンクしないことがあります。
そんなときは、音は聞こえているけれど、その音から必要な情報をつかめていないのかもしれません。
たとえば「高い音」「低い音」という言葉を知っていても、実際にその音を聴いたときに「これは高い」「これは低い」と結びつけることは、経験が必要です。
音は目に見えません。
だからこそ、音の変化を聴き取り、それを動きとして表現することは、子どもにとって最初から簡単にできることではありません。
まずは「聴く」ことから。
私はリトミックでは、最初からたくさんの情報を求めないようにしています。
たとえば、「この音が聴こえたら、お星さまが上に流れるよ!」と、ひとつの音とひとつの動きを結びつける。
そして、「この音が聴こえたら……?」と、子どもたちが音を待つ。
音が聴こえたら動く。
できるようになったら、音の種類や動きを少しずつ増やしていく。
このように、
音を聴く
↓
音の特徴を捉える
↓
その情報に合わせて動く
という経験を積み重ねていきます。
ときには、「音が変わったね。どんな感じがする?」と問いかけて、子ども自身に音の変化を感じてもらうこともあります。
そして、「先生が聴いてほしい音」と「子どもが聴いている音」は違うかもしれないということ。
ピアノを弾いている先生は、次にどんな音楽にしようか、どこで変化をつけようか……と、先の展開を考えながら演奏しています。
そのため、
「今、音が変わったよ!」
「反応して!」
と、つい先回りして声をかけてしまうことがあります。
でも、子どもたちは先生が意図した音の要素を、必ずしも同じように聴いているとは限りません。
たとえば、先生は左手の一定のテンポを聴いて動いてほしいと思っていても、子どもはメロディーに意識が向いているかもしれません。
だからこそ、「何を聴いてほしいのか」を、先生自身が明確にしておくことが大切なのだと思います。
今は、さまざまなリトミックの活動があります。
楽しく身体を動かすことももちろん大切。
でも、その活動を通して、
「子どもに何を体験してほしいのか」
「何の力につなげたいのか」
という視点を持っていたいと思っています。
そうでなければ、音楽を使った楽しい活動ではあっても、リトミックとして何を育てているのかが曖昧になってしまうことがあります。
先日、リトミックが初めてという園児さんたちと活動する機会がありました。
事前に流れを考えて準備していても、実際の子どもたちの様子を見ていると、
「じゃあ、こんなふうにしてみようか?」
「この音が聴こえたら、手をあげてみよう!」
など、その場で活動を調整することも必要でした。
音楽を「聞かせる」のではなく、
音を聴く。
音から何かを感じ取る。
そして、その音に反応してみる。
その小さな積み重ねが、音楽を聴く経験につながっていくのだと思います♡
【リトミックで大切にしたいことのひとつ】
それは、
「聴いて!」と言うことではなく、「聴くってこういうことなんだ」と子ども自身が体験できる環境をつくること。
これからも「聴く」経験を丁寧につくって、リトミックの良さを広げていきたいですね。