2024.04.03
ヤマハのグレードテストには、初見演奏があります。全く知らない初めての曲を30秒程予見して弾くという試験です。これはするすると出来る人と苦戦する人がいますが、その差は何故出るのでしょうか?経験もあるでしょうが、これは《調性感》《和音進行》が身に付いているか否かです。調性感は、シャープやフラットが何の音にいくつ付いているかが自然と分かり自然とその音階に沿って弾けるという事です。和音進行は4度の和音(ハ長調ならファラド)から5度の和音(ハ長調ならソシレ)へは進めますがその逆は進めない。というように、一つのフレーズ(まとまり)にはある程度の規則性があるということです。この規則性にのっとって曲が作られることにより発展したり終止したりしています。これらを確立したのがいわゆる〈古典派〉の作曲家ハイドン、モーツァルト、ベートーヴェンなどで(ソナチネ)(ソナタ)は基本的な楽曲を学ぶ基礎です。小さな曲でも基本的には和音進行の規則性に乗って書かれています。前回トピックスでピアニストになるような人が初見が早くこなす曲数も多くなるのは、幼児の早い段階で〈調性感〉〈和音進行〉を身に付けるプロセスを踏んでいるからです。曲を学ぶ上でただ弾いて覚えるだけでなく〈調性感〉〈和音進行〉を身に付ける事が必要です