2019.02.05
早いもので、2017年3月に教室を開設してから、もうすぐ2年になります。
始めはたどたどしくピアノの「音を鳴らすだけ」だった生徒たちも今ではしっかり「音楽を奏でて」くれるようになりました。
大手教室からの移籍組も増えてきて、私としても、指導方法のヴァリエーションが必要となっています。
この2年間に子供への音楽教育法を様々な観点から学んできました。
同業の諸先輩方、自分を育ててくれた恩師、また他業種のお稽古の先生方の子供への指導法なども参考にしつつ、
何よりも一番私にとっても勉強になるのが、ここに通って来てくれている生徒の皆さんへの毎回のレッスンです。
生徒の皆さんは誰一人として同じ教材の組み合わせ、同じような進み方をしていません。
目標とする曲は被ることが多々ありますが、その曲を弾けるに至るまでの過程がそれぞれ全く違います。
ほんの一例ですが、子供たちの傾向と対策についてまとめてみました。
①楽譜通りに絶対に弾きたい子
②指は動くが、複雑な楽譜を見ただけで、「弾けない」と思う子
③楽譜通りに弾いてるつもりで間違いに気づかない子
①の生徒は、市販の教本をどんどん進めます。この場合は練習もよくする真面目なお子さんの場合が多いので上達も早いのですが、音楽表現に欠ける部分もあり、これも遊び心のある曲(ギロックなど)で早々に楽譜にとらわれない自己表現方法を教えていきます。
②の生徒は音感がある事が多いです。耳や勘だけに頼って弾く傾向がありますので複雑な曲になってくると、楽譜を見て弾けなくなります。
このような生徒へのアプローチとして、左手の伴奏によく出てくる和音をカード等を使って教え込み、親しみのあるメロディの曲に自分で伴奏付けをさせてみることが有効です。
伴奏付けができることにより、楽譜に書かれている一見複雑そうに見える音にも親しみが湧き、前向きに弾くことができるようになります。
このような生徒は移調などのアレンジも上手にこなせる傾向にあります。
③こういう場合は、ソルフェージュレッスンを多めに行います。とにかくたくさん楽譜を読んで、音符、リズムといった音感を鍛えます。
講師の弾いたメロディを聞いて、弾く/書くといった訓練も、ゲームのようにこなしていくことで次第に音感が付き、読譜の間違いも減っていきます。
最初から演奏に必要な事を何もかもバランスよく身に付けているお子さんは居ませんので、それぞれ良い部分を伸ばしつつ、足りない部分は補えるよう、レッスンを組んでいます。
ですが何よりも上達の近道は、生徒自身の
「この曲が弾いてみたい!」と思い続ける気持ちです。
その気持ちを大切にしたいので、私は導入期の生徒にはその子が少しがんばれば弾けるように編曲して渡しています。
画像はピアノを習い始めて3か月の女の子に渡した「きらきらぼし」です。
きらきらぼしが両手で弾きたいということで、できるだけ素敵な伴奏を単音で作りました。
運指も少し難しい曲ですが、「弾きたい!」気持ちが強く、1週間たくさん練習して弾けるようになりました。
その後の教本の進み方が非常にスムーズだったのは、言うまでもありません。