2022.03.09
今から3年前の春、
念願の高校に入学したMさんとNさんから
大学受験に向けての
『ソルフェージュとピアノレッスン』の依頼があった。
Mさんは
楽典・コールユーブンゲンを挟みながら
チェルニー・バッハ・ソナタを弾いていった。
幼少時から学んでいたという
ピアノ曲への表現力と情熱にいつも圧倒されるものがあった。
吹奏楽部に所属し、土日もとっぷりとその中に浸るという
音楽が〝とにかく大好き❣️〟感が全身から溢れていた。
しかし2年生の時、世の中にコロナが発生した。
お家の方の大きな支えのもとに、
Mさんは
全身で、怒りを訴え
全身で、できる道に向かっていこうとしていた。
とにかくいつも前向きで、純粋で、明るい。
試験曲に選び、最後に仕上げた
『悲愴ソナタ』は
隅々まで音を吟味して、Mさんらしい情熱を持った演奏だった。
沢山考えて選んだ
東京の大学の教育学部に合格❣️
〝おめでとうございます🎊〟
今一人暮らしに、わくわくしている。
部活は勿論ブラスバンド部。
ピアノは部屋に入らないので
学校の練習室で弾くということだ。
爽やかで、人をスッと受け入れてしまうあの広さと明るさ
人気のある先生になれそうですね❣️
Nさんも
高校1年生の時に連絡をいただいた。
トランペットで音楽大学に入るという希望だった。
楽典・聴音を中心としたレッスンから始まった。
副科ではあるが
ピアノはこれまで習っていなかった為バイエルから始めた。
Nさんも
高校では管弦楽部に所属していた。
念願の高校に入り、楽しみにしていた部活動。
部活での充実感がNさんの無駄のない言葉の中から
充分伝わってきた。
とにかく忙しいレッスンだった。
月2回、一回のレッスン時間は1時間。
楽典と聴音は隔週ごと。ピアノは毎週。
Nさんは
隔週ごとの楽典の課題を家で毎回しっかりやってきた。
初めての内容が殆どだと思うが、
毎回一言も漏らさないで聞くぞ!という目と態度に
凄いものを感じた。
ピアノも初めてとは思えないほど
どんどん進んでいった。
勿論トランペットで、楽譜に抵抗はないが、
ピアノの楽譜は大譜表であり
両手で弾くということはなかなか慣れるのに大変なはず。
しかし少ない家での時間の中
効率よく練習したのだろう。
ぐんぐん弾けるようになり、楽しそうでもあった。
目標に向かう真剣さとエネルギー。また確実に努力すること。
曲目の変更など
土壇場でのハプニングにも冷静に、確実に努力を重ねて
国立大の教育学部(音楽専攻)に見事合格をした。
おめでとうございます🎊
自分の力で勝ち取ったこの喜びはどれ程嬉しかったことか。
しっかり子ども達を支えられる先生になられることでしょう。
高校3年生の時に
〝幼稚園の先生になりたいので〟と連絡をいただいたMさん。
とにかく
マスクから覗く笑顔がいつも素晴らしいのだ。優しくて、温かい。
私は最初から
Mさんに幼稚園の先生は天職と思った。
1年経った今もそう思える。
そして
全く初めてというピアノだがとても〝うまい!〟
本当に習ってなかったの?と聞きたくなる。
レッスンに臨む姿はとても控えめだが
Mさんのピアノは、心の主張があり、
旋律の歌い方がきれい。そして音が温かい。
バイエルを進めていったが
楽譜には毎回同じ旋律にマーカーが入っていたりと、
Mさんが考えたアイデアの印が付いていた。
Mさんも見事、希望の大学に合格した。
〝おめでとうございます🎊〟
子ども達の歓声に囲まれたMさんが
見えるようです❣️
高校3年生の3人がそれぞれに掴んだ新しい道。
その道を必死で歩んでいた貴重な姿に
ほんのちょっと関わらせてもらい、
そして
3人の人生を決めた最高の喜びの瞬間を見せてもらい、
『先生、受かりましたー‼️』という
言葉に出会えたこと。
レッスンではもう会えませんが
お互いに音楽をやっている仲間として
また4月から頑張り合いたいものだなあと思える、
素敵な3月となりました❣️
わくわく音楽の広場に
満開の桜が咲きました🌸
〝おめでとう🎊〟