大は小を兼ねない⁉️ 〜大塚直哉さんとチェンバロの世界〜
2019.11.12
いわき市で
『音楽の隠れ家』
〜むかしの鍵盤楽器にふれてみよう!〜
まさに題名そのものの
『講座?演奏会?』に参加してきた。
FM朝の放送『古楽の楽しみ』
でお馴染みの、
あの〝大塚直哉さん〟が
(芸大チェンバロ科のステキな学生さんと共に)
2日間、10時〜18時迄
⭕️小学生〜大人までの公開レッスンを行い、
⭕️解説付きのおしゃべりコンサートもあった❣️
🔵チェンバロやハープシコードの自由練習もできる‼️
という
あまりこれまでは出会わないような内容のものだった。
聴講者をチェンバロの周りに集めて
中をじっくりと覗かせ、
チェンバロの音の出る仕組みを
チョチョっと中の部品を外したりしながら、
初心者にも実に分かりやすく、
そして、
チェンバロがいかに神秘的なものであるかを
熱い語り口で
伝えてくれた。
公開レッスンでは
小学生達がメヌエットなどを演奏し、レッスンを受けていた。
大人の方々はBachのインベンションや平均律また室内楽も演奏。
大塚直哉さんは
終始、優しい語り口で、
『旋律をつなぎましょうー
メロディがどこまで続くのか考えて弾きましょうー』
と、
踊ったり、歌ったりしながら、
しかし
決して妥協することなく、
〝音楽は美しくなければ!
歌うというのは・・・音を繋ぐというのは・・・
いうことを
具体的に
非常に分かりやすく、伝えようとされていた。
ハープシコードやチェンバロで演奏されていた音楽が
時代とともに
より大きな音が求められるようになり、
ピアノという楽器に
作曲家も聴衆も関心が移っていった。
そこで、はて、
古楽器で演奏されていた音楽達は
今、ピアノで演奏されているが、
『大は小を兼ねる』となっているのだろうか・・・
と、大塚直哉さんは考えたところ
『チェンバロの為に作られた曲はピアノで表現出来るか?』
いや‼️
チェンバロの曲はチェンバロでなければ!
『大は小を兼ねない』こともあるのでは?と言われた。
なるほど・・・
チェンバロ・古楽器は
まさに『音楽の隠れ家』
そして
大塚直哉さんは
愛してやまないチェンバロ・古楽器を
多くの人に広めたい。
大塚直哉さんのその心が、濃厚な内容となり、
会場の時間が止まったようにさえ感じでいたら
あっという間に夕方になっていた。
帰りの時間が迫っていたので、
最後の公開レッスンを残して会場を出たところで
係の方に声をかけられ、
大塚直哉さんに会っていかれたらどうかと‼️
大塚直哉さんは
最後のレッスン前の休憩時間で
楽屋で遅い昼食を取っていらしたのもかかわらず
溢れるような笑顔で話してくださった。
大塚直哉さん
和かではあるが
その和かを支えているものは
音楽への深い尊敬と情熱と
これまでの絶え間ない研究。
お話の全てがため息が出るようなすごいものだった。
『百聞は一見にしかず』
ラジオで聴いていた方に実際会ってみること。
チェンバロは知っていたけど、実際に触ってみること。
音楽は美しいと思っていたけど、美しい音楽を生で聴くこと。
そこから得るものは
天と地ほどの差がある。
世界がまたひとつ広がりました。