心に残るエピソード4『 第1回 片道2時間のレッスン会場 』
2016.06.17
~レッスンの宝物~ 心に残る、生徒さんとのエピソード
4
「ピアノ嫌いの生徒が目覚めた瞬間~そして、なみだの別れ」
♪ 第1回 片道2時間のレッスン会場 ♪
「弾きたいあなたのいつもそばに」
野田・柏・流山市・柏の葉から車で10分
プリマベーラピアノ教室の
木村由紀子です。
今から15年ほど前の
某大手音楽教室の幼稚園会場でのエピソードです。
車で片道2時間かかる会場に
「どうしても先生が見つからないから、遠くて申し訳ないけれど
1年だけでいいから行ってほしい」
と、楽器店から要請がありました。
困っている様子だったので私は
迷わずお引き受けしました。
よくよく聴いてみると
その1年だけと云う期限は
「全部で5人居るが
その内3人は小学校6年の男子なので
おそらく中学生になるとやめてしまうはずだから」
と、云う事でした。
それが、思いも寄らず4年近くも通う事になろうとは……
その3人の男子は
幼稚園のグループレッスンの時からの仲良しでした。
前の先生に7年習っていて、他の2人も含めどの子も、
ただ惰性でレッスンに来て、
やる気のかけらもありませんでした。
いつも
ふて腐れてつまらなそうに
まるで
「ピアノ大嫌い」と云う気持ちを
音にぶつけている様でした。
先生が途中で代わる事は、普通に考えても難しいのですが
私はいつも、お引き受けしたからには
私の出来る最大限の努力で
生徒の前の先生と歩んだ日々を大切にしつつ
新しい関係性を築き、導こうと心がけていました。
しかし、この時ばかりは
毎回のレッスンでの彼らの態度に困り果て
自分の無力さを痛感し、
「こんなにもピアノが嫌いな生徒に
教える意味があるのだろうか?」
と、疑問に思い
悩み苦しむ日々が続きました。
そんな日々の中、心の奥底からは
「このまま適当に何もせず
1年過ぎるのを待つのが一番だ」
と、云う悪魔のささやきも聴こえてきました。
次回は、彼らがこんな風になってしまった理由と、
それに対して私が決意し、実行した事を書きたいと思います。
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