2016.09.11
私の母はクリスチャンで、長く教会の奏楽を務めていました。
愛用のリードオルガンはKAWAIのロゴがあり、昭和2年頃に作られたものと聞いています。
母が保管していたオルガンの保険證によれば、製品番号は2820と大変若く、恐らく河合小市さんが独立した頃、河合楽器の黎明期の作と思われます。
私自身はクリスチャンではありませんが、物心ついた時から、母の弾くオルガンを聴いて育ちました。母は、千葉、我孫子、海老名と居を移しながらも、平成23年に亡くなる直前まで、このオルガンを弾いていました。
いわば亡き母のシンボルであるオルガンなので、父の筆跡の文字とともに図案化していただき、音楽堂のエントランスを飾っております。
音楽堂が建ちましてから、母のオルガンをここで鳴らしてみたいとの想いを強く持ち、
来る2016年10月29日(土)に
オルガンを使ったコンサート「祈りのとき」を企画いたしました。
弾いてくださるのは、母のオルガンの師匠、山中ゆりか先生。母の師匠だけれど、母よりもずっとお若いです。コンサートでの演奏をご快諾いただきました。ソプラノの永井静子先生にもご一緒いただきます。
なにしろ古いオルガンです。母が亡くなってからはずっと弾く人がおりませんでしたので、コンサートまでの間、毎日音を出すようにと、山中先生よりご指示をいただきました。なので、私はこのところ毎日、家にある讃美歌の本を開いては、次から次へと弾いてみています。
讃美歌を弾いてみて驚きました。今の私を作っている音楽の原体験が、讃美歌であることがわかった気がして。
私は、20代の頃から室内楽演奏仲間とのレパートリー作成の為に、自己流で編曲をしてきました。最初の仲間は木管五重奏。フルート、オーボエ、クラリネット、ホルン、ファゴットそれぞれに、ソプラノ、アルト、テノール、バスのように、声部を担当させ、組み合わせるようなアレンジ方法を、最初から何気なくしていました。その、癖のような方法は、どうも讃美歌を聴き慣れていたことに由来しているようなのです。
そして、讃美歌の持っている、美しい和声進行にも驚きました!シンプルな旋律に対し、自然な流れで、経過や借用和音がスパイスのように使われています。ここ十年ほど、コードや、伴奏付けの勉強をしてきていますが、模範解答となるような美しさです。
コンサートでは、母の好きだった讃美歌もご紹介いただきます。
コンサートの詳細は以下のとおり
音楽堂コンサート 祈りのとき
日時 2016年10月29日(土)
開場 13:30 開演 14:00
入場料 1、000円 要予約 47席
出演 山中ゆりか(オルガン・ピアノ)
永井静子 (ソプラノ)
内田有一 (クラリネット)
内田悦子 (ピアノ)
曲目 祈り (ヴォルフ)
日暮れて闇はせまり(讃美歌)
アメイジンググレイス 他