2015.09.08
小学2年生のAちゃんは、いつも頑張ってよく練習してきます。
先日のレッスンでは、右手だけ練習してくる予定だった少し難しいところが、両手で正しく弾けるようになっていて感心しました。
私が「よく両手で弾けたね!」と言うと、Aちゃんは得意げなお顔で「自分で音符を読んで1人で練習したの。ママがそこも弾いてみたら?って言うから、やってみたらできたの」と教えてくれました。
小さい子の練習に親が付き合う場合、やってはいけないことがあります。
それは、音を読んであげることです。
弾いてあげるのも良くありません。
私もレッスンの時に弾いて聞かせることはよくしますが、それはどんな雰囲気の曲なのかを教えるためであったり、ある程度弾けるようになってきた時に、強弱やテンポの変化の付け方などを伝えるためです。
私が音符を読むのが苦手な子に新しく練習する曲を聞かせる場合は、「楽譜を見ててね」と言って、途中で弾くのをやめて「今どこまで弾いた?」と、楽譜を指差すように尋ねます。
昔いた生徒さんで、レッスンの時に新しいところを弾くのをとても嫌がる子がいました。
私が次のところを練習させようとすると「家で弾いてくる~」と言うのです。
どうやらその子は、家でお母さんに弾いてもらって、それを目と耳で覚えて弾けるようにしているようでした。
個人差はありますが、楽譜は読む回数が多いほど早く読めるようになっていきます。
とりあえず早くその曲が弾けるようにと、弾いて聞かせたり、音を読んであげることを繰り返していると、子供は自分で楽譜を読もうとしなくなってしまい、いつまで経っても読めるようになりません。
何事も簡単に答を教えるのは良くありません。
自分で考えて、苦労しながら何回もやることで、コツがつかめていくものです。
親が練習に付き合う場合、その曲が弾けるように、ではなく、楽譜が読めるように、音符を読む練習をたくさんするのが良いと思います。
楽譜を読むことによって、考える力や自主性が養われていきます。
私は、楽譜が少し早く読めるようになってきて、ピアノが益々楽しそうなAちゃんの、これからの成長がとても楽しみです。