2023.06.08
アルゼンチンの作曲家アストル・ピアソラ、今でこそ有名ですが、まだほとんどその名が知られていなかった1990年代からピアソラの曲をライブで演奏し続けてきた人たちがいます。
東京芸大で同期の二人、ヴァイオリンのCHICAさんとピアノの黒田亜樹さんです。そのお二人のプロジェクトが「東京ピアソラランド」
2021年はピアソラ生誕100年、そして2022年は没後30年にあたる年です。
その2022年にしばらく開催していなかった「東京ピアソラランド」コンサートが復活したのだそうです。
その年、私は初めて「東京ピアソラランド」の演奏を渋谷のライブハウスJZ Bratで聴きましたが、あまりの凄さに度肝を抜かれました。
弦楽四重奏団とピアノ、バンドネオンの構成で、奏者一人一人の実力が抜群の上にアンサンブル力、グルーブ感が半端でなかったのです。
その「東京ピアソラランド」のコンサートが今年は等々力駅駅前にある玉川せせらぎホールで開催されました。これは聞き逃せないと先週6月3日に行って来ました。
タイトルは「黒田亜樹と東京ピアソラランドの仲間たちーバンドネオン、北村聡を迎えて」でした。
今回はバッハのクラヴィア協奏曲から始まり、十八番のピアソラの曲はもちろん、ウクライナの鬼才カプースチンのピアノ五重奏曲、アルゼンチンの屈指のピアニスト・作曲家のフェルナンド・オテーロの曲が演奏されました。
クラシック、タンゴ、ジャズ、ロックと幅広いジャンルのどの曲にも釘付け、そして心も身体も動きっぱなしでした。
一番感動したのは6人の奏者全員のリズム感・呼吸感がいつもシンクロしていて、合わせようと思って合わせるのではなく、自然にピタッと合ってしまうこと。それがどんな複雑なリズムでも超絶技巧の曲であっても気持ちの良いほどピタッ!となのです。どうしたらあのような阿吽の呼吸の境地にたどり着けるのでしょう。
今回も高揚して帰路につきました。
ピアノの黒田亜樹さんには私の生徒が時々レッスンの受けさせていただいていて、大変お世話になっています。こんな素晴らしいピアニストにレッスンを受けられる生徒は幸せですね。
さて、私自身の感動も得難いものでしたが、小さい子供たちに与える影響力はさらに大きいものではないかと思いました。
子供の頃に衝撃を受けるくらいのいい音楽に巡り合う機会があったら、そこから先の人生が変わるかもしれません。このコンサートを聴いた小学生の生徒はどうだったでしょうか。