2020.01.21
クシシュトフ・ヤブウォンスキ教授は1985年第ショパン国際ピアノコンクールでの第3位入賞、今年の10月にワルシャワで開催される第18回ショパン国際ピアノコンクールでは審査員もなさいます。
私は18日と19日の2日間に表参道カワイで朝から晩まで13人の公開レッスンを聴講しました。
曲はショパン(スケルツォ、バラード、マズルカ、即興曲、エチュード、ソナタ)の他にモーツァルト、ベートーヴェン、ラフマニノフ、シューマンの作品。
一人1時間の限られたレッスンでおっしゃりたいことは山ほどあったことと思いますが、ヤブウォンスキ教授はそれぞれの方にとって今一番必要と思われることをユーモアたっぷりに忍耐強く丁寧にご指導なさっていました。
私の生徒もレッスンを受け、大変貴重な機会をいただきました。
先生の美しいまでの音楽と完璧なテクニックをたくさん聴かせていただき、悪い例もこれは良くないよと笑いが止まらなくなるくらい面白く示してくださいました。そして、皆さんの演奏はみるみる変わっていきました✨
ヤブウォンスキ教授がおっしゃていたことは当たり前といえば当たり前かもしれないですが、そのことが最も大切で難しいことです。
✴︎楽譜に書かれていることを表現する。(例えばスタッカートがついていないよ。そこはPだよ。fは一つでffではないよ。全部の音が鳴ってないとそのハーモニーがわからないよ。音のバランスはどうかな。)
✴︎1つ1つの音の間の響きを聴き続ける。レガートだったら、まず手だけで、それができてからペダルをつける。
ペダルは良いものはさらに良くするが、悪いものは増長させるので危険。
耳でよく聴いて、ものすごく細かいペダル操作が必要。昔のピアノは音がすぐ消えるので少し長いペダルでも大丈夫だったが、現代のピアノでは注意深く聞いて濁ったら細かく変える必要がある。特に半音でのペダルの濁りは注意。
✴︎大げさな無駄な動きをしない。その動きがあることで弾きにくくなったり、かえって音楽的でなくなる。シンプルに自然に身体を使おう。
✴︎司令塔は頭、頭からの指令がなく指だけ動くのは避けなければならない。
✴︎常に細かい刻みを感じ続けていて、何となくの長さにならない。
✴︎ピアノともっと親しくなろう。乱暴に弾いたり、扱ったりしたらいい関係は生まれない。などなど。
本日20日のセミナー「ショパンのエチュードにつながるスケール・アルペジオ」は導入から使える内容で基礎練習の大切さをまざまざと見せていただきました。
それにしてもヤブウォンスキ教授のスケール・アルペジオは美しく、圧倒されました。
指導者である私自身、もっともっと練習しなければと思いました。頑張ります!