2020.12.02
大人の生徒さんから
「今もバイエル使っている先生、居るんでしょうか?」と聞かれ
「25年程前にバイエル不要論が出て私も4,5年使っていない時期が有りましたが、基礎がスコンと抜け落ちるので、今でも下巻だけは使っています。
上下巻で106曲、下巻だけでも60曲、
当時のテキストはリーズナブルな上に
次に何の調の勉強をするか、
楽語についても
短調の3つの音階についても
子供さんに分かり易く、丁寧に
その都度解説を載せています。
しかし当時「ゆとり教育」が提唱されると
子供さんのピアノの練習時間も激減。
それ迄毎週3曲ずつ程暗譜で進んで来た事が暗譜無しでも
何年経っても1冊が終わらなくなってしまった(*_*;
しかし、これはピアノだけでは有りません。
25年程前の広島の進学校の中学入試合格最低点は4教科400点中320点と発表されていました。
つまり、ギリギリ最低で入った人でも
1教科平均80点は取っていた訳です。
ところが、今やそれが251点と発表されています。
つまり、1教科63点程も取れば入ってしまう訳です。
そうなるとおのずと教える側も
それまでの1を教えれば10を知るーと言う生徒達とは異なった教え方、
テキストの使い方をせざるを得ないでしょう。」
とお答え致しました。
バイエルさん、あなたの作ったテキストは優れた物です。
問題は使う側に変化が起きてしまったのです。
「不要論」なんて言われてしまって本当に申し訳無いです。
今や特に導入時のピアノテキストは10数種類も有ります。
出ては絶版ーの繰り返しです。
その中で其々の生徒さんの練習量に応じたテキストをお渡しして行きます。
バスティン、バーナム、ギロック、日本の作曲家物、バロック物等、様々なテキストを組み合わせるのです。
ご質問された生徒さんは
「私も子供の頃、ABCもツエルニ―も全曲やっていましたね。」と笑われ、
今、その方はツエルニ―40番、バッハシンフォニア、ショパンのワルツに加え、
「ハノンの中の音階とアルペジオも勉強したい。」と言われ、お仕事もお有の中、楽しく熱心に練習して来られ、
「私も頑張らないと(^^)/」と生徒さん達に触発されています(#^.^#)