2018.11.28
山口県の沖に孤留島=コルトー島(厚島)と名付けられた島が有ると言うので、行ってみました。
アルフレッド・コルトーは1877年生まれの奇才のピアニストです。
指揮も行い、ティボー(ヴァイオリン)とカザルス(チエロ)と組んだ三重奏団は、最高のトリオと呼ばれました。
現在の私達にとっては何と言ってもコルトーのエコール・ノルマル音楽院の設立でしょう。1919年。
当初より、留学生受け入れに力を入れたと言われていますが、今も日本から、この広島からも留学される方が多いです。
もう1つ身近なものはコルトー版と呼ばれる楽譜です。
楽譜と言うより、練習の仕方から指使いまで細かく書かれた参考書に近いもので、音楽教育に力を入れていたコルトーならではと言う楽譜です。
しかしコルトーには「黒の伝説」と言われる第2次世界大戦中、ナチスドイツよりの政権と近い関係に在った事で、戦後批判を浴び、演奏活動中止を余儀なくされた時期が有りました。
そんなコルトーが戦後7年目の1952年75歳の時に日本中を演奏旅行。
山口の川棚に宿泊したホテルから見えた厚島に
「こんな夢の様な風景は見た事が無い。
天国の様なあの島でコッソリ死にたい。
是非買い取りたい。」と申し出。
当時の村長は感激し、
「永住されるなら、無償で差し上げましょう。」と快諾。
コルトーは下関2泊をキャンセルしてこの川棚で3泊し、この島をずっと眺めていたと言われます。
コルトーが宿泊したホテルの跡地には、コルトーセンターと名付けられた川棚温泉交流センターが建てられ、今、コルトーの胸像が、あの島を眺めています。
海岸線沿いを車で走り、コルトー島を見に行きました。
(今の川棚からは見えにくいのです)
澄んだ美しい海の向こうにコルトー島は今も静かに佇んでいます。
思わず「きれいな所ねーー」と砂浜に座り、しばし島を眺めーー。
2つの大戦に翻弄されたコルトーが、この島に大きく惹かれた気持ちが何だか判る様な気がしました。
余談
川棚と言えば「瓦そば」
「瓦そば」と言えば「たかせ」
11時開店と同時に満席状態になります。予約がお薦め(^^)/
「たかせ」の「瓦そば」は、何故か2人前(*_*;
2人で行くか、1人で2人前を食べるか(笑)