2015.12.03
こんにちは。枚方市のピアノ教室、YOKOピアノ教室です。
さて、もう1か月も経ってしまったのですが、11月3日に、「マリア・ジョアン・ピリス&メネセス デュオリサイタル」を聴いてきました。
ベートーベンプログラムです。
チェロとピアノのためのソナタ第2番・第3番。無伴奏チェロ組曲第2番、ピアノソナタ第32番でした。
ピリスさんは、以前NHKのスーパーピアノレッスンで講師をされていて、その中で
「ピアニスト、芸術家は、ただそれだけをしているのではいけない。しっかりと生活をして、食事を作り、日々の色々な事をこなしたうえで、それらが中心となった生活の中で芸術をその一部として行うのが本来の姿だ。」
というようなことをおっしゃっていて、当時子育てとレッスンに忙殺されていた私は大変救われた覚えがあります。
実物はとても小柄な方で、遠くからでも小さそうな手で、しかし一つ一つの音が再弱音までしっかりと耳に届いてきました。
ピアノソナタ第32番は、ベートーベン最後のソナタです。前にアンドラーシュ・シフさんのを聴いたときは、まるで神様が降臨したような瞬間を感じで、鳥肌が立ちましたが、ピリスさんのは、もっと人間的な感じがしました。もちろんただ美しいだけでなく、とても積極的な意思のある演奏でした。しかし何と言ってもその弱音の美しさ・・・。ピリスさんの音と言えるような個性のほとばしる音。もちろん全身全霊で演奏しているその姿に感動しました。
チェロのメネセスさんは、とても音が柔らかくて、レガートの美しい歌うチェロでした。ピリスさんとの息もぴったりで、誇張することなくとても自然な音楽でした。
アンコールはバッハのパストラーレ、ショパンのチェロソナタでした。
秋の一日に、また一つ得難い思い出が出来ました。私も頑張ろうと思いました。